日出処の天子 

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)
(1994/03)
山岸 凉子

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 懐古趣味……というわけではないのですが、ちと本を整理しているうちに出てきたので読み返しちゃって(^_^;) 今日は思い出語りなぞ……

 ええと、歳を隠しているわけではないので正直に書いちゃいますが、私はこの連載をLaLa誌で読んだのは大学生だったと思います。一番コミック雑誌をいっぱい読んでいたころかと思います。けっこう連載長かったので記憶がはっきりしないのですが、朝日新聞にこの作品の書評が載ったこともあり、コミケとかコミックなどのサブカルをめざとい文化担当者が好んで紙面に取り上げ始めたのもこのころだったと思います。
 単行本でそろえ、カレンダーやイラスト集なども買い集めたはずなのだけど、お嫁に来るときに全部実家に置いてきちゃったし、もうゴミになっちゃっただろうなあ。今手元にあるのは、こっちで買った文庫本版ずる天です。

 この作品の衝撃は、口では何とも言えないものがある。山岸作品にはトラウマになりそうな問題作が多いですが、四半世紀経た今も読み切れない深さがある。文学とはこういうものだな。うむうむ。
 この作品を連載で毎月わくわく読んだときは私はまだただの腐った乙女だったので、今でいうBLもの&歴史もの、という読み方をしていました。それだけで十分楽しめる作品なわけですが、今ごろになって読み返すとあの当時好きだったはずの蝦夷が、なんだか憎い男に思えるのだった。
 なぜ自分(厩戸)は何も手に入れられないのか。何もかも理解してくれていると思っていた蝦夷がなぜ他の女を選ぶのか。
 えてして男なんてこんなもの……。住む世界が違う異次元の生き物。つまらない生き物なのよ、男なんて。私も歳をとったな、でも今ならそう思える。男なんか長い人生のほんの一部でしかないわ。厩戸視点でお話を見てしまうから蝦夷はいい男だし好きに思えるけど、トジコもフツ姫もみんなしてとりあって、こんな男のどこがいいんだか。私も連載で読んだときは若かった(四半世紀前(^_^;))ので蝦夷が好きだったけど、今だったらこんな男には惚れないはず……。あのあと蝦夷はどうしたんだろう、厩戸に負い目を覚えつつ普通の幸せを構築していく人生を行ったのだろうか。
 ……いや、私は人間が未熟なので、恋愛の淵はわからない。
 厩戸は結局、好きな男への未練を絶つことができたのだろうか。絶望的な孤独は永遠の心の平穏を約束してくれたんだろうか。欲しいと思うから苦しいのであって、捨ててしまえば心の平穏が得られる。いつか時間が風化してくれると……今なら思えるけど、あの途切れたような結末の先にはまだ彼らの人生が続いていくのが痛々しい。

 ところで、この間読み返して困ったことがあった。
 蝦夷の声が小西さんになってしまうのである(^_^;) バカだ、私。(厩戸にも声がついていた。この間聴いたばかりBLCDの影響だあ。福山さんの声になっていた)
 おかしい。私はいつから声つきでマンガを読む特技を身に付けたんだ?(^_^;) それとも幻聴? いよいよこの病気も重症かあ。もしかして他のマンガでも好きな男キャラが小西さんの声になっちゃったらどうしよう?

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