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正岡

おたくな奥様快楽通信

「御贔屓繋馬」「不死鳥よ波濤を越えて」 の感想 +追記

2023年05月17日
歌舞伎・演劇・ライブ 0
明治座創業百五十周年記念
市川猿之助奮闘歌舞伎公演

三代猿之助四十八選の内「御贔屓繋馬(ごひいきつなぎうま)」
2023年5月11日(夜の部)

一行感想。よみがえる将門伝説o(^-^)o

 先月の歌舞伎座「新陰陽師」。それから2014年公演の「金幣猿島郡」「四天王楓江戸粧」は、世界観に共通するものがある作品だ。
 それは、将門の乱のその後。時は将門の娘や息子の世代と移ろい、何やら恐ろしげな企てがが……
 新作である「新陰陽師」以外は、三代猿之助の復活狂言で、鶴屋南北原作、江戸時代中期ごろの作品かな? 「つなぎうま」は将門の家紋とかで、江戸時代の庶民は「猿島」とかと「繋馬」言われたらなんのことがわかったんだろう、タイトルになってるくらいだから。私は検索しないとわかりませんでした。
 大昔の敗軍の将・平将門だけど、いずれの作品も将門本人は出てこない。将門の親族や関係者が蘇ったり、画策したり、事件の首謀者になるお話だ。将門が「われこそは将門が怨霊〜」みたいな話ではない。
 あれ?将門本人が出てくる芝居ってあるのあかな?
 多分江戸時代では、そんな恐れ多くも怖い話は絶対書いちゃいけなかったんだろう。ほんとに蘇っちゃったらどうすんだよ?( ゚д゚)
 というわけで、今回明治座で蘇った死者は将門の息子。最後は源仲光軍?と対決する。(ざっくり)
 三代目の「御贔屓繋馬」初演は明治座で、当時の出演者を見ると、今回登場してない役があるので、いろいろと調整してこの形になったのだろう。それでもあっと驚く超展開。ばばーん!ええ〜?いったいなにごと〜?( ꒪⌓꒪)
 ハシゴ持って、若い衆が舞台いっぱい暴れて。アクションシーンかっこよく美しかったなあ。
 「蜘蛛の絲宿直噺」は、あれ?タイトルこうだっけ?独立した演目で前にも見たけど、これは本当に何回見ても面白い。 

 印象に残ったシーン。蘇った猿之助が水を飲む。ゾンビじゃない感。そして虚空に歩んでいく姿。
 米吉。私は多分初めてがっつり見る。声も良き(〃▽〃)



(2023年6月7日追記)

歌舞伎スペクタクル「不死鳥よ波濤を越えて 〜平家物語異聞」(市川團子回)
「御贔屓繋馬」(中村隼人回)

2023年5月23日(昼の部/夜の部)

一行感想。運命の稲妻が今……!沢瀉屋伝説。

 私は元々、この日の昼の部のチケットを持ってた。
 あの日。ああ〜公演中止か〜。でも夜の部は隼人でやるんだ? まあ準備はしてあったからな。でもやるんだ? 今日はともかく、このまま千秋楽まで中村隼人奮闘公演なら、応援に行かねばなるまいのう(´・ω・`)
(※応援=追チケ)
萬屋なのにいきなり他家の看板預かるとか、責任重大だもんな……などと思っていたところ、まさかの團子代役で昼の部続行( ゚д゚) え?1日稽古ですぐやっちゃう?いやいくら沢瀉屋次期エースでもそれは……
 多分に憶測だけど、昼の部には團子は出演してなかったよね。猿之助は演出時、自分の代役を舞台の上に置いて動かすそうなので、團子がそれ役だったのかも。だから流れや立ち位置は理解していた。そこにあとはセリフをのっけるだけで、むしろ衣装と床山さんが突貫工事に一日要した?
 いや、ちょっと待て。セリフ多くない?歌もあるじゃん? 内容わかってても、理論と実践、稽古と本番は違う。團子だって、いずれ自分がこれをやるんだという心づもりだったとしも、突然、衝撃の知らせの後、「明日から最終日までやってください」( ꒪⌓꒪) 本人にはほとんど選択権はないだろうけど、オトナ(松竹)もよく決断したよの。團子って浅草歌舞伎にも出たことないんだぞ。
 これは明治座150周年お祝い公演の一環だから、それにミソつけた上に穴空けることだけはできなかった、ということかな。ならば私もがんばって、庶民だから席一個だけだけど、隼人回埋めさせていただきました。さらにお布施で、お弁当も買いました。ありがとう明治座。150年おめでとう。

子回感想 芝居はなかなかやるな、とは團子が小学生の頃から思ってはいたけど、想像以上によかったわ。ちゃんとセリフ聞こえて、意味も意思も入ってくる感じ。やっぱり演劇ってさ、物語ってさ、観客の気持ちを動かしてひっぱることだよね。訳知りな説教調なとこがああ三代目の舞台だわ〜感で、本来こんな若い役者がやる役ではないんだけど、そういう落差が知盛をピュアに昇華していて良き。
 壱太郎の異国のお姫さま、よかったわ〜。

隼人回感想 前にも猿之助版&隼人版のセット公演は見たことあるけど、はっきりいって全然別のタイプ俳優なので、隼人にあって猿之助には無いもの、隼人には無いもの、があって、両方見る意味はある。こういう事情で隼人回も見ることになったけど、見てよかった。蜘蛛の糸なんか猿之助のための演目みたいなもんだけど、金返せとは全然思わない。
 「繋ぎ馬」は壮大な将門伝説のスケール感があって、 なるほど隼人さまに似合いの演目だった。水滸伝も見に行っちゃうかなあ〜。

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この記事を書いた人: 正岡
■生涯一腐女子。腐女子の本懐を極める。追っかけ中→小西克幸。市川猿之助。松田龍平。蒼井翔太
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