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正岡

おたくな奥様快楽通信

「柳生一族の陰謀」の感想

2021年08月21日
アニメ・特撮・邦画 0
 千葉真一が亡くなった。思い出作品の感想文など綴って弔文としよう。

思い出作品
キイハンター(1968〜73年)TBS/東映
柳生一族の陰謀(1978 年)東映
宇宙からのメッセージ(1978年)東映
魔界転生(1981年)東映
宇宙刑事ギャバン(1982年)テレビ朝日/東映
風林火山(2007年)NHK

 以上6作品。タイトルにリンクはってあるのは、前に書いた感想文。
 今回は「柳生一族の陰謀」感想文。後日「魔界転生」「風林火山」についても書くつもり。

「柳生一族の陰謀」(1978 年)東映
 前に一度、悦ちゃんファンとして書いたことがあるけど、昨日また見て、また語りたくなった。

時代劇?異世界ファンタジー?
 いやいやいや、それはない、事実無根、史実無視もここまで来ると、すがすがしいまでに荒唐無稽、奇々怪々。見ている間は面白いという感覚が勝ってしまい、このあとどうなるんだろう?えっ?ええええ?……そんな映画である。
 この映画、ジャンルはなんだろう? SFじゃないよね?骨太な時代劇だよね?
 登場人物は歴史上の人物だし、一応史実わかってないと、設定と展開の何がおもしろいのか理解できない。三船敏郎尾張様が誰なのかわかってないと、どういう立ち位置で何しに出てきたのかのかわからんだろう。そういう意味で、れっきとした史劇であり、時代劇なのね。
 でも、たらればifな時代劇設定て、アニメでもゲームでもマンガでもあると思うけど、この圧倒的な重厚感はなんだろうなあ。脚本?俳優?映像?
 お城で正座して陰険問答してるだけじゃない。合戦もチャンバラもアクションも見どころいっぱい。こんな時代劇はもう誰も撮らないんだろうなあ。

オールスター映画
 予告編見ると、お正月映画だったらしい。がっつり骨太時代劇ではあるけど、オールスターつまり娯楽映画でもあるので、出演時間長くないけど、意外なところで有名俳優が次々出てくる。そして次々無念の最期を遂げたり…。そういうのをがしっと束ねて一本の流れに持って行くのが、深作監督の力なんだと思うのね。
 この映画、女優さん少ない。山田五十鈴。お美しいですね。浮世絵みたいな細面。これがやんごとない姫さまのお顔なんですね。この時おいくつ?えっ還暦?時間の流れおかしくない?(^_^;) 
 大原麗子。志穂美悦子。中原早苗。画面濃いわ。大原麗子は出雲の阿国。時代設定的には変ではない。
 女優じゃないけど女優枠?中村米吉。(現歌六)おきれいですねえ。この時20代。最初から最期まで白塗りですが、この人は萬屋錦之介の甥にあたるんだっけ。意外と顔立ち似てるので白塗りで通したのかも。予告編のあの場面は違うキャラだったので、米吉は追加キャラだったのかも。
 男優は、こういう内容の映画のせいか、みんなかっこいいですねえ、演技が。ばきばきと骨っぽい男の芝居。やっぱり脚本の力だろうか。
 成田三樹夫は何を演じてもかっこいいけど、この烏丸少将はほんとに素敵。どうも実在の人物ではなく、映画用オリキャラらしい。もうひとりのおじゃる三条大納言(梅津栄)の方は実在の人物らしいです。へ〜。
 西郷輝彦は、他の時代劇とかドラマでもよく見たけど、特に興味を引かれる俳優じゃなかった。でもこの忠長はなんかよかったな。
 室田日出男は根来衆の頭領。かっこいいわあ。途中で思ったけど、柳生のお姫さまである悦ちゃんを「茜殿」と呼んでるので、柳生と主従関係はなく、友達の妹て関係なわけなのか。デビュー当時の真田広之は根来衆の若いもん役。役は小さいが意外に出番はある。彼は「茜さま」と呼んでいる。
 原田芳雄は名古屋山三。歌舞伎でも時々おみかけする。実在の人物で、でも史実では阿国は関係ないらしいです。ええ〜そうなんだ?こんなかっこいいのに…
 
誰が何の陰謀を?(^_^;)
 この映画の秀逸なところは、内容以前にタイトルのインパクトだと思う。
 柳生宗矩や十兵衛は主役でしょ?陰謀仕掛ける側なの?
 柳生一族とあるが、この映画に出てくるの柳生は、
(1)柳生宗矩(萬屋錦之介)
(2)十兵衛(千葉真一)と弟2人(←ジロウは千葉ちゃんの本物弟)。
(3)柳生宗矩の娘・茜(悦ちゃん)。あかねは多分兄貴3人より歳下設定の女剣士だ。かっこいい。
 というわけで、柳生と名が付くのは5人。でも首謀者は父上であり、息子たちと配下の根来衆は戦働きをしているだけだ。なのに、柳生宗矩の陰謀じゃなくて、徳川家光の陰謀じゃなくて、柳生一族の陰謀。このタイトルのかっこよさだよね。タイトルって大事。
 ところで、柳生宗矩はなぜ、そこまでしなければならなかったのか。
 自分の息子や娘を死なせて、悲しくないわけがない。彼を動かす動機は何だったんだろう? そこはこの映画では説明されてない。天下国家万民のため、というのとは違うような気がするけど、かといって私利私欲だったとも思えない。親に会うては親を殺し、仏に会うては仏を殺し、のような非情の掟を、将軍の心得として家光に説く。
 この映画に出てくる家光(松方弘樹)、忠長(西郷輝彦)は、どちらも意外に真っ当なな男で、ちょっと劣ると評される家光も部下を気づかうくらいの情も善意もあり、将軍の役目を全うできそうな器ではある。他にやり方はなかったのか?
 柳生モノの小説とか読めば書いてあるかもしれないけど、読んだことないから勝手に想像するに、家康に後のこと(家光)を託されていた。みたいな使命感だったのかな。

 ちなみに、家光忠長跡目争いのお話はもちろん歴史二次創作。それは主要人物の生没年を確認するだけでわかる。

家康 1543生- 1616没
秀忠 1573生ー1632没(将軍在位1605-1623)
江 1573生- 1595 嫁-1626没
家光 1604生(将軍在位1623ー1651)
忠長 1606生 1624駿河甲斐遠江 1631蟄居 1632改易 1633切腹

家康お祖父様は兄弟が小学生くらいの年まで存命だった。
父秀忠は家光に将軍を譲って、その10年後くらいに亡くなった。忠長の切腹はその後なので、家光は父が亡くなるまで待ったんだね、兄弟で何かあったの?みたいなのがフフィクションのとっかかりなんだと思う。だから一番の陰謀は作家だな(^_^;)

柳生但馬守宗矩て誰?
 私がこの歴史上の人物の名前を知ったのは。NHK「春の坂道」だった。宗矩役は同じく錦之介で、しかしあまりに昔のことなので、ストーリーはまったく覚えてない。先代海老蔵が家光だったことしか思い出せない。(よほどイケメンだったのだろう。)うちの両親の感想では「暗い話だった」。
 いったい柳生宗矩とはどんな男だったのだろう? 萬屋錦之介みたいな人?(ちがうちがうちがう)
 そして宗矩には息子が4人いたらしく、その長男が映画でも小説でも有名な柳生十兵衛三厳である。やっぱり千葉真一みたいな人だったのかな。(ちがうちがうちがうし(^_^;)役と俳優を混同するな)
 でも当たり役と言われ、同じ人物を、それも歴史上の人物を、何回も演じることになるのは、それだけ観客の期待するイメージに合っていた、ということなんだと思う。

 てめえら人間じゃねえ!叩っ斬ってやる!萬屋錦之介について。特に好きだったわけじゃないのに、いっぱい見てるような気がする(^_^;) なんなの?私。
 錦之介は途中のチャンバラももちろんかっこよかったけど、やっぱり最高の見せ場は結末のあそこの場面だわ。
 もうね、もうね、これぞ歌舞伎ですよ。セリフから何から、ばしーっと刺さる。痺れる。ひと目で偽物とわかるあれが、本物にしか見えない。やっぱり錦之介はエライ! この長い長い映画の結末にふさわしい絵だわ。
 私はこの映画、映画館で見たかったです。

 最後になったけど、千葉ちゃん十兵衛のこと。柳生一族映画のとき39歳くらい。ばりばりのアクション現役ですね。
 萬屋錦之介は、実は46歳で、千葉ちゃんとはそれほど年齢差はない。そこは芝居で親子役なわけだけど、あれ?じゃあ柳生宗矩の実年齢は?と思って検索してみた。
宗矩 1571ー1646
十兵衛 1607—1650
 そうなんだ?36の時の息子なのか。
 映画の設定上、秀忠没1632年/忠長切腹1633年とすると、
宗矩62歳。十兵衛26歳。
というのが史実の年齢になる。この映画では多分、家光忠長、宗矩は史実年齢設定、十兵衛はちょっと上かな。

(次の映画に行く)
 


 


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この記事を書いた人: 正岡
■生涯一腐女子。腐女子の本懐を極める。追っかけ中→小西克幸。市川猿之助。松田龍平。蒼井翔太
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