北斗談義 私はユリアが嫌いだ
2021年01月06日
私はユリアは嫌いだ。元々北斗の拳やユリアに関心があったわけではないから積極的な否定ではないけど、なんとなく拒否感があった。
その微妙な気持ちの正体がわかったのは、「日出処の天子」を読み返したときだった。「布津姫死ね」。要するに、若く美しくやさしいだけでなく、いかにも男に好かれそうなたおやかで控えめな印象が、反感や嫉ましさを抱かせるのである。
若くて美しくてやさしいだけで世の中通用するのかよ。するのかな(^_^;) ほとんどのおなごは、学業とか資格とかこころがけとか、後天的に獲得できるもので自分を磨いているわけよ。
実はユリアというヒロインは、いろいろとよくわからない。
北斗の拳は恋愛ものではないから、そこらへんはどうでもいいことではあるけど、ユリアってそんなにケンシロウが好きなのか。北斗南斗あまたの暴力男の中で、ケンシロウを選んだ理由はなんだったんだろう。
前半と後半ではユリアはいろいろ書き変わっているから、ユリアというより武論尊先生の責任かもしれないけど、ユリアは実は南斗のお姫さまだ。だから北斗神拳伝承者が最初からお婿さんと決められていただけで、ひょっとするとラオウでもトキでもよかった。自分で選んだわけじゃない、のかもしれない。お姫さまともなると結婚て本人だけの問題じゃないからね。
でも、これは少年マンガなんだよね。ジュブナイルなんだよね。
ケンシロウとラオウが戦って、ラオウが勝ったらユリアはラオウのお嫁さんになったのだろうか? 男同士を戦わせて勝った方のお嫁さんになるなんて、すごく罪深い女じゃないかな。それって恋愛じゃないよね。
暴力魔神みたいな拳法使いの世界で、好き嫌いをはっきり言わないのは男から身を守る方法ではあると思うけど(^_^;)、運命に流されながらもいつまでもいつまでもケンシロウのことを思っていたのか。そこはなんだかよくわからない。ユリアに感情移入しずらいところだわ。モバイル真北斗無双で、シンの章で自殺するユリアを見てちょっと思いました。
ああ、でも、ユリアの自殺はシンの自己申告だから、ほんとのところはわからないよな(^_^;) 逆上して突き落としたのはシンて、それをシンはユリアが勝手に死んだと思い込んでるだけかも。
北斗の拳は恋愛ものじゃないから。そこは値引きして読む。ユリアはあくまで男目線で見上げたお姫さまであって、ラオウやケンシロウたちからはこのように見えるということなのね。それ以上のところには原作者先生も踏み込んでないのだと思う。
つづく。