蒼井翔太の作詩作曲の歌を見る会 2回目
蒼井翔太曲探訪。
今回は、蒼井翔太曲では何が歌われているのか?何の歌なのか?について、考えてみようと思う。
というわけで、まずは歌詞の内容をささっとおさらい。歌詞に出てくる人称チェック。日本語の歌は、人称を見ればだいたい雰囲気がわかるのね。
蒼井翔太自作自演曲ヽ(´ー`)ノ人称一覧
(凡例)
「曲題名」一人称/二人称/他
※人称の仮名表記はCD封入の歌詞表記による
「君のとなりで」僕/君
「ユメノツヅキ」僕/君
「BURNING☆MAGIC -バニ☆マジ」/君
「glitter wish」僕/あなた
「Melodia」僕ら/君
「哀唄」私/貴方(だれか)
「Why,pessimistic?」僕/君
「汝の言霊(きみのことば)」我等(ぼくら)/汝(きみ)
「START!!」僕ら
「ずっと…」私/君
「north star」僕ら
「RUN!!RUN!!」僕/君
「Powder snow」私
「I am」私/貴方
「奪えないもの」アナタ
「SPOTLIGHT」あなた
「Existence」(日本語英語混在)
↓以下はは歌詞についての感想文、観賞文です。私の個人的な感覚や印象を書くのが目的です。
僕と君の歌
1番多く登場するのは「僕/君」という人称。「君」や「僕」または「僕ら」しか登場しない歌詞もあるが、基本的に「僕と君」は対になっている表現だ。「君」が出てくるなら、一人称は多分「僕」。
この呼び方には、君と僕との間には適度にかしこまった距離感がある。具体的にいうと、手はつないでもまだちゅーはしてない(^_^;)みたいな親密度。
というのも、おそらく、ライブ公演でファンに向けて、ファンに聴いてもらう動機で書かれている曲だから、僕=蒼井翔太で、君=ファンひとりひとり、なのだ。だから内容も、いつも隣にいてくれる、これからも一緒、僕たちの約束……みたいな、精神的に清い内容の歌詞が印象に残る。まだ活動を始めたばかりの蒼井翔太が、いきなり押しつけがましいしく「俺の歌を聴け」などと若い女の子にすり寄って行くのは、若手男性声優としてあるわけないよね(^_^;)
ちなみに「俺/おまえ」表現は出てきたことがない。ファンをおまえよばわりするのは、もうちょっと偉くなってからだろう(^_^;)
蒼井翔太の私
人称の微妙な表現の違いが、多分何か意味があるんだろうと思うけれど、「私/あなた」という表現も出てくる。あなたの表記はいろいろだけど。
「Powder snow」この曲が転機? ここで一気に内向きの歌になる。何か傷ついたり悩んだりして立ち止まっている私。それでも明日に向かおうとする私。
これを聴いたとき「え?」って思ったんだけど、何がどういう事情かは具体的には歌詞には出てこない。ただこの歌に出てくる傷ついた私は、きっと蒼井翔太の何かを投影しているんだろう。
その次の「I am」では、もうちょっと具体的に、何をどう苦しんだか書かれている。
タイトルからして、この歌も「私=蒼井翔太」であろうし、少なくとも蒼井翔太の何かを投影して語られているのだろう。ただこの歌では貴方という人物が出てくる。それがヘビーな内容に救いをもたらしているように思える。
ところが、翌年は「奪えないもの」。失恋?の歌だ。これに出てくるアナタは、もっとアウトラインがはっきりしていて、「ごめん」などと謝ったりしている。この歌は即興劇の時に演じた女性キャラを書いた、とインタビュー記事で明言している。明言するからには詮索されたくない裏テーマがあるんだろう(^_^;)(私が作家だったらそういう予防線を張る) 何か手に入らなかったもの、諦めたもの、とか、こういうお仕事だから思い通りにならないことも多いんだろうなあ……みたいなことをこの曲聴いた当時思いました。
「SPOTLIGHT」「Existence」の正直な私の感想は、わりと絶望?(^_^;)した。まだ壁がある。もっと高く飛べ。私たちが乗っているのは遊覧船じゃないんだ?これから高速で急上昇する飛行船だったのかと。
歌詞に書かれているものが1から10までそのまま蒼井翔太、とは思わないし、そうであるはずもない。そこは勘違いしていけないとこだと思う。
歌の体裁をしている以上、聴く人の誰にもフィットするように、書き換えたり、フィクションを加えたりもするだろうし。蒼井翔太作詩作曲作品には、蒼井翔太というアーティストの一端が垣間見えるかもしれない、でもそれ以上でもそれ以下でもないのね。
アーティストとしては、自分のいいとこを見せるだけじゃなく、後ろ向きのものを表現するのは、それは自己の強さの現れ、みたいなものだと私は思う。なので「Powder snow」のとき、おっ?と思った。
意外と少ない?恋愛の歌
明らかに恋愛を綴った内容の歌は「ユメノツヅキ」「哀唄」「奪えないもの」くらい?
これは発表の機会の少ない自作の歌だから、アーティスト蒼井翔太的には先に主張したいものがある、というのはあるかも。
前にも書いたように、私は蒼井翔太の内面性に踏み込むのは怖いと思ってるから、恋愛観みたいなのを知りたいとは思ってない(^_^) そこは考えないようにしてる理由のひとつでもあるかな。
(この会終わり)