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正岡

おたくな奥様快楽通信

「スマイルマーメイド」 の感想

2017年11月14日
蒼井翔太 0
BD「スマイルマーメイド」

 2017年10月発売/2枚組/スマイルマーメイド制作委員会
http://smile-mermaid.com/
↑公式通販はこちら

 もちろん発売と同時に配達されていたけど、ちょっと考えることがいろいろあって、感想が遅れました。
 
 ディスク1は、2016年12月大阪千秋楽公演を収録。
 ディスク2では、東京でのスチル撮影、稽古、ステージリハなど、「スマイルマーメイド」が作られていく様子が、スタッフや共演者を含む映像でたっぷりと100分。これがなかなかすごい。華やかな舞台が開くまでは、こんな地味な積み重ねがあるのね。稽古場面の見どころは…そうだなあ、サメ王子の中の人がマリナの中の人に遠慮?して腰に手を回せなかったところ(^_^;)かな。

1711140.jpg
↑公演時のビジュアルと違う。DVD版も違う絵。何パターンも作ったんだろうね。

↓(ネタバレ感想文)

「スマイルマーメイド」が描く真の人魚姫の物語
 物語については、前にも感想は書いたけど、改めて円盤でじっくり見て思うのは、このお話って、元々の童話の「人魚姫」の裏返しみたいな発想から生まれたのかな、と。
 童話の人魚姫は、王子を殺せば海に帰れるはずが、それができずに海の泡と消える。「スマイルマーメイド」では、人魚姫に「殺して」と迫られた王子は、それができないで海に身を投げる。……という違いがある。

 「スマイルマーメイド」を見た後で、私はひとつ疑問に思うことがある。原作童話「人魚姫」について。
 子供のときは深く考えなかったけど、「人魚姫」てなんだか変なお話だと思う。
 好きな男のそばに行きたいがために、禁断の魔法の裏技?に頼る。ここまではわかる。
 人魚姫はなぜ泡にならなければならなかったのか。王子様を殺せないから?心が美しいから?
 じゃないよね。恋の敗者となったからだ、つまり王子が選んだのは他の女だった。それははっきりいって、王女様の方が美人でかわいくて魅力的なだけのことだ、もしくは、人魚姫は王子の好みのタイプじゃなかった。認めたくないけど、そういうことだと思う。
 自分が人魚姫になりきって読んでいた頃は、こんなにやさしくかわいい私()を好きにならないなんて! 口がきけたら、字がかけたら、私があのとき王子をお助けした人魚ですって言えるのに!と思っていた。
 だけど、じゃあ人魚姫が命の恩人だと知ったら、王子は人魚姫の方を好きになったのかしら?というと、それはちょっと違うんじゃない?(^_^;)て思うんだよね。

 「スマイルマーメイド」では、人魚のマリナ姫が命の恩人であると、王子はわかっている。人魚の姿を最初から知ってて、それでも愛を誓う。童話とは違って、王子は人魚姫に一目ぼれ。マリナ姫の恋の夢は最初から全部かなう。それはしょーたんの人魚姫が美しいから当たり前!(^_^;) そしてその愛が困難に直面したとき、マリナ姫の選択は、自分以外の誰かの命を犠牲にすることだった。
 それが正しいことかが別にして、恋愛は究極のエゴイスト、については真理かも。
 それで私は気付いたのだ。童話人魚姫はどうなのだろう。彼女の愛はエゴではないといえるのか。
 人魚姫のしたことは、分かりやすい例えでいうと、「蒼井翔太の付き人になれる魔法をかけてあげるけど、蒼井翔太と結婚できなかったら灰になってしまうよ。それでもいいのかい?」みたいな話だ。(人間の組成からいって炭化して灰になるかと…。)
 人魚姫は、つまり人間になったわけではない。「愛を獲得することで完成するが、失敗したら死ぬ」という、呪いなのか魔法なのかわからん(^_^;)方法で陸に上がった。つまり可憐な人形姫は実は、王子の近くに行きたい(おっかけ?)ために、自分の命をマトにしてしまうような、大博打娘なのである。
 王子様に会えるなら死んでもいい!くらいの勢いで動くのは、若いおなごにはよくあることだ。人それを、恋は盲目という。
 そんな人魚姫がお嫁さんレースに敗れて、なぜ人魚に戻らずに海の泡になったのか。
 王子様が好きだから?人殺しができないから?
 違う、と思う。それは王子を殺して人魚に戻っても、そこに愛はない、と絶望したからだ。
 そもそもなんのために陸に上がったのかというと、王子のことが好きになったから&自分を好きになってもらいたかったから。しかし王子の心は動かず、そこに結局愛はなかった。
「愛がないのに、生きていてなんの意味があるの?」
 ほら、マリナ姫と同じ。
 童話の人魚姫は泡になってしまったのではない。泡になってもならなくても、すでに死んでいたのだ。心が先に死んだのだから、体なんかいらない。家族も海の眷族も振り返らない。これが清い心だとは私はあまり思えない。人魚姫の親兄弟にしたら、人殺しでもいいから無事に帰ってきて欲しかったはずだ。

 そして「スマイルマーメイド」は童話とは逆に、王子が海に身を投げて終わるが、それでマリナ姫が本当に愛を得たのかは、やっぱりわからない。海の泡となって消えたのは王子の飼い犬で、それと知らずに王子は好きな相手と結ばれるのは、原作童話どおりと言えるので、当事者はハッピーエンドなのかも。
 でもそれで本当によかったのか?もっと他に結末はなかったのか? 円盤を見てまだぐるぐるする。

「スマイルマーメイド」を作った人たち
 「スマイルマーメイド」の円盤は、予定よりも発売が遅れて、あとで通販予約すればいいやと思っていた私はだいぶ焦りました。製作の事情はよくわからないけど、公式通販はまだやってるみたいなので、興味がある人や出演者のファンのみなさんは買いましょう。
 前年の「プリンスカグヤ」との違いは、予算増↑。衣装見ただけでわかる。お金と手間のいかにもかかっていそうなドレスはもちろん、ダンサーのスカートにいたるまで。出演者もTVで見たことある人ばかりで、ダンサー陣も含めてざっとカグヤの倍は居る。
 製作委員会のトップにフジテレビがいる。2016年の秋ごろに蒼井翔太がフジの番組やイベントに出ていたのは、こういう事情だと推測する。
 出演者ばかりに目がいってしまうが、このお話を考えた人は誰かというと、
 構成・演出・振付:上田遙
 脚本:上田遙 須貝英

 舞台とか不案内ですいません。検索してもよくわかんなかったですが、上田先生はバレエ団などを手がける方らしく、そんな有名な先生に作っていただいたんですね。動く背景や心理描写担当のダンサー陣も、オーディションを経て、上田先生の舞台に出れる!みたいなのがあったのかもしれません(〃▽〃) 衣装もステキ!みたいな。
 それでこのお話を書いたのが上田先生だというのはわかったけど、蒼井翔太主演を前提に書かれたのだろうか。公演パンフ冒頭の演出家挨拶の項目によると、どうもそのようです。四季のような大きな劇団でやるような規模のミュージカルではないが、ひとりで思い通りに作れる、ということはあるのかな。衝撃の結末!みたいな。
 スタッフリストを見るに、カグヤから継続してる人もいて、例えば
 音楽:春日井貴博
とか。円盤パッケージには書いてないですが、パンフ見直したら、劇中歌いっぱい書いてるじゃないですか。メロディが平易なわりには印象的で、おぼえやすくて、良かったですよね。お客さんはたいてい劇場で一回見るだけなので、それをふまえた歌作りと思う。いろいろ書き直したり書き足したり、大変だったんだろうな。
 メイキングがいっぱい収録されているディスク2も良かったですが、私はこういう製作プロセスのようなものには、すごく魅かれる。アニメでもエンディングスクロールでスタッフリストまじまじ見る派です。
 メイキングやスタッフに興味がいくのは、それはこういう大きな企画や華やかな催しには、必ずお披露目にいたるまで継続して積み上げて行くものがあって、表から見えないそれを想像するのが楽しいのである。

蒼井翔太の人魚姫が美人でかわいいから当然
 身長が175近くもあって、骨格もがっちり、どこからみても健康男児な蒼井翔太が人魚姫なのはどうなのか。て見てない人は思うかもしれない。
 そもそも「スマイルマーメイド」のお話は、王子が人魚の姿のマリナに一目惚れする、から始まる。観客も一緒に、蒼井翔太の人魚姫が美しくでかわいいから当然!と思ってしまうのは、「スマイルマーメイド」の魔法にかかってるからなのか。
 歌舞伎とか新派見ると思うですが、女優は小さいです。華奢でかわいくて、声も細くて可憐で、そこがいいんですが、舞台上では女形の方が大きくて、顔とか体とか、立派で華やかで目立つんです。ずらずらーっと出てくる美人揃いのバレエダンサーに囲まれても埋没しないのは、蒼井翔太の人魚姫が美人でかわいいから当然(^_^;)という意見もあるかもしれないけど、男優だからというのもあるかな。

 次の舞台公演は来年かなあ。

 かぐや姫、人魚姫……ときて、次はなんだろうなあ。
 お姫さま役が続いたのは、多分に声ゆえだと思う。歌い出すともう、普通の男優じゃないから。ハイネの舞台のとき思ったけど、課外授業の自分のキャラソンになったらギューンと高音になって、この歌を活かそうと思うとお姫さま役しかないよな!と思ってしまうわけなんです。
 

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この記事を書いた人: 正岡
■生涯一腐女子。腐女子の本懐を極める。追っかけ中→小西克幸。市川猿之助。松田龍平。蒼井翔太
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