六月大歌舞伎 名月八幡祭/浮世風呂/弁慶上使 の感想
2017年06月07日
六月大歌舞伎(昼の部)
名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)
澤瀉十種の内 浮世風呂(うきよぶろ)
御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)弁慶上使
観劇日 2017.6.2 歌舞伎座
↓
名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)
澤瀉十種の内 浮世風呂(うきよぶろ)
御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)弁慶上使
観劇日 2017.6.2 歌舞伎座
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名月八幡祭
初めて見る演目だと思い込んでいたけど、巻紙を落とすシーンで、あれっこれ見たことあるような……??? でも、ストーリーとかどこで見たとかさっぱり思い出せない(^_^;) いやあ、私も耄碌しましたかな。そんなに印象に残らないお話だったのかな。
実際にあった事件をもとに江戸時代後期に書かれた「八幡祭小望月賑」(はちまんまつり よみやのにぎわい)、それを下敷きに大正時代に書かれた作品。らしい。「籠釣瓶」と話が似てるのは、同じ系譜上の作品だかららしい。
感想は「なんかもやっとする」。これはどこをどう見ればいいのか。
男を小ばかにしたような(芸者の意気地ともいう)テキトーで高飛車女ザマアって話? それとも、女で失敗して壊れちゃう純情新助かわいそう、って見ればいいのかな。
お金にけっこうテキトーな芸者美代吉、しかも金がないのに金をせびりくるゲス男付。…というのがお話の最初から出てきて、観客は美代吉を微妙な心持ちで見てると思うのね。ということは、マジぼれ新助に肩入れして見るのではなく、あの女に金を貸すなとアドバイスしたのに、と何か新助を上から見てる気がする。
つまり、惚れた女が実はダメ女だったら同情もするけど、最初からダメ女とわかってて惚れたのだから、それって自己責任じゃん?(^_^;)
このお話の肝は、悪人はひとりも出てこないことだと思う。
美代吉が天使のようなかわいさ炸裂で何の悪意もなく男を陥れる、とか、男なんか軽くひねって金を巻き上げる悪女だったら、こんなにもやっとしないはず。
美代吉のヒモ男の三次は、職業は船頭。つまり普通の町人。美代吉を殴ろうとして、男の面子が邪魔をして殴れない。思い余って刃物を持ち出しても金を見た途端ころんでしまうような、裏も表もない簡単な男。(むしろ、この猿之助がちょっとかわいい)
じゃあ、何がいけなかったの?
その無情さを象徴するように、舞台の上の物語では、よりによって祭りの日に永代橋が落ち、突然の雨、そしておっきな満月が昇って幕となる。やっぱり「もやっとする」が、このお芝居は正解なのかな。
浮世風呂
今となってはよくぞ貯金を削って見に行ったと思うけど、私は三代目猿之助+なめくじ亀治郎版を歌舞伎座で見ました。今調べたら2001年12月だったらしい。あれの四代目版を見られるなんて!
湯屋の三助をテーマにした、カッコよく楽しい舞踊演目。伴奏の歌詞が何言ってるのかわからなくてもだいじょうぶ(^_^;) とにかく見てるだけでおもしろい。途中でナメクジが(女体化)からんできたり、最後は若い衆と立ち回りになって盛り上がって終わる。
猿之助は、おなごのお客に人気の出そうなすっきりとした三助。
なめじく女は種之助。ごめん、種之助って誰だっけ?と今調べた。中村又五郎の次男。24歳。ああ、又五郎襲名の頃だったか、NHKに出演したときTVで見た。イケメンの息子2人で又五郎が自慢気だった。私、前にも舞台で見てるかな?ナメクジ種之助はかわいらしい出来栄え。最近の歌舞伎役者らしく小顔で、猿之助とのバランスもよかった。
弁慶上使
ごめん。私、やっぱり義太夫は寝る(´・ω・`) ところどころ意識が飛んでる。はっと気がついたら、弁慶の赤い袖が…
あれっ?これ見たことがある。赤い袖のとこで気がついた。TVで見たのかな。
「御所桜堀川夜討」は元は人形浄瑠璃なので、歌舞伎としても古い作品。弁慶上使のところがよく上演されるらしい。
見ながら考えたんだけど、なぜ義太夫語りの歌舞伎は眠いのか?
とりあえず話が遅い。この音楽は元々このスピードで演奏されていたんだろうか。でもそうなんだろうな。義太夫ものが出来た当時、物語は耳から聴くものだったはずで、初めて聴く人もそうでない人も、この演奏と台本でお話を理解できたはずなのね。なぜ私は遅いと感じるのだろうか。
歌舞伎座が広すぎるのかな?もっと至近距離で演奏されたら、びしびししびれたりするんじゃないかな。
元々、人形を操演するための台本と音楽だから、人形だけではわかりにくい情景や心理など全部義太夫に乗せて歌っていく。情報が多いから、余計に遅く感じるのかな。え?どういうこと?早く説明して?と思って見てて、なかなか進まないから待ちきれない、待ってるうちに脳が寝ちゃう、というのはあるかな。
ところで、あの赤い袖だけど、おっ母さんがただ一度の逢瀬を思って、苦労して娘を育てて、肌身離さず赤い袖を着てたのはわかるとして、弁慶もそうだったなんて、実は相思相愛(^。^) 意外に純情男子だったんですね……
今回のお席は、1階2等席、最前列。
ちょっと舞台からは遠くなるけど、宙乗りがなければ前を遮るものがない良席。ただちょっと気になったのは、全体的に人の頭が邪魔。役者が舞台の床に寝転がると、ほとんど見えなくなっちゃうです。新しい歌舞伎座の座席を設定するとき、いろいろ高さや位置を検討したと思うけど、もうちょっと舞台が高い方がよかったんじゃ? 座高の高い男の人はこれでいいのかもしれないけど。
※追記※ 友人の指摘によりますと、弁慶上使は2001年12月に浮世風呂と一緒に歌舞伎座で見てるはずとのこと(^_^;) 私覚えてないのはなぜ?私寝てた?(^_^;) でも赤い袖で記憶の一部が蘇ったのは確か。ちなみに団十郎の弁慶だったそうです。
やっぱり人間の記憶はあてにならない。記録を残しておくのは大事ね。
初めて見る演目だと思い込んでいたけど、巻紙を落とすシーンで、あれっこれ見たことあるような……??? でも、ストーリーとかどこで見たとかさっぱり思い出せない(^_^;) いやあ、私も耄碌しましたかな。そんなに印象に残らないお話だったのかな。
実際にあった事件をもとに江戸時代後期に書かれた「八幡祭小望月賑」(はちまんまつり よみやのにぎわい)、それを下敷きに大正時代に書かれた作品。らしい。「籠釣瓶」と話が似てるのは、同じ系譜上の作品だかららしい。
感想は「なんかもやっとする」。これはどこをどう見ればいいのか。
男を小ばかにしたような(芸者の意気地ともいう)テキトーで高飛車女ザマアって話? それとも、女で失敗して壊れちゃう純情新助かわいそう、って見ればいいのかな。
お金にけっこうテキトーな芸者美代吉、しかも金がないのに金をせびりくるゲス男付。…というのがお話の最初から出てきて、観客は美代吉を微妙な心持ちで見てると思うのね。ということは、マジぼれ新助に肩入れして見るのではなく、あの女に金を貸すなとアドバイスしたのに、と何か新助を上から見てる気がする。
つまり、惚れた女が実はダメ女だったら同情もするけど、最初からダメ女とわかってて惚れたのだから、それって自己責任じゃん?(^_^;)
このお話の肝は、悪人はひとりも出てこないことだと思う。
美代吉が天使のようなかわいさ炸裂で何の悪意もなく男を陥れる、とか、男なんか軽くひねって金を巻き上げる悪女だったら、こんなにもやっとしないはず。
美代吉のヒモ男の三次は、職業は船頭。つまり普通の町人。美代吉を殴ろうとして、男の面子が邪魔をして殴れない。思い余って刃物を持ち出しても金を見た途端ころんでしまうような、裏も表もない簡単な男。(むしろ、この猿之助がちょっとかわいい)
じゃあ、何がいけなかったの?
その無情さを象徴するように、舞台の上の物語では、よりによって祭りの日に永代橋が落ち、突然の雨、そしておっきな満月が昇って幕となる。やっぱり「もやっとする」が、このお芝居は正解なのかな。
浮世風呂
今となってはよくぞ貯金を削って見に行ったと思うけど、私は三代目猿之助+なめくじ亀治郎版を歌舞伎座で見ました。今調べたら2001年12月だったらしい。あれの四代目版を見られるなんて!
湯屋の三助をテーマにした、カッコよく楽しい舞踊演目。伴奏の歌詞が何言ってるのかわからなくてもだいじょうぶ(^_^;) とにかく見てるだけでおもしろい。途中でナメクジが(女体化)からんできたり、最後は若い衆と立ち回りになって盛り上がって終わる。
猿之助は、おなごのお客に人気の出そうなすっきりとした三助。
なめじく女は種之助。ごめん、種之助って誰だっけ?と今調べた。中村又五郎の次男。24歳。ああ、又五郎襲名の頃だったか、NHKに出演したときTVで見た。イケメンの息子2人で又五郎が自慢気だった。私、前にも舞台で見てるかな?ナメクジ種之助はかわいらしい出来栄え。最近の歌舞伎役者らしく小顔で、猿之助とのバランスもよかった。
弁慶上使
ごめん。私、やっぱり義太夫は寝る(´・ω・`) ところどころ意識が飛んでる。はっと気がついたら、弁慶の赤い袖が…
あれっ?これ見たことがある。赤い袖のとこで気がついた。TVで見たのかな。
「御所桜堀川夜討」は元は人形浄瑠璃なので、歌舞伎としても古い作品。弁慶上使のところがよく上演されるらしい。
見ながら考えたんだけど、なぜ義太夫語りの歌舞伎は眠いのか?
とりあえず話が遅い。この音楽は元々このスピードで演奏されていたんだろうか。でもそうなんだろうな。義太夫ものが出来た当時、物語は耳から聴くものだったはずで、初めて聴く人もそうでない人も、この演奏と台本でお話を理解できたはずなのね。なぜ私は遅いと感じるのだろうか。
歌舞伎座が広すぎるのかな?もっと至近距離で演奏されたら、びしびししびれたりするんじゃないかな。
元々、人形を操演するための台本と音楽だから、人形だけではわかりにくい情景や心理など全部義太夫に乗せて歌っていく。情報が多いから、余計に遅く感じるのかな。え?どういうこと?早く説明して?と思って見てて、なかなか進まないから待ちきれない、待ってるうちに脳が寝ちゃう、というのはあるかな。
ところで、あの赤い袖だけど、おっ母さんがただ一度の逢瀬を思って、苦労して娘を育てて、肌身離さず赤い袖を着てたのはわかるとして、弁慶もそうだったなんて、実は相思相愛(^。^) 意外に純情男子だったんですね……

今回のお席は、1階2等席、最前列。
ちょっと舞台からは遠くなるけど、宙乗りがなければ前を遮るものがない良席。ただちょっと気になったのは、全体的に人の頭が邪魔。役者が舞台の床に寝転がると、ほとんど見えなくなっちゃうです。新しい歌舞伎座の座席を設定するとき、いろいろ高さや位置を検討したと思うけど、もうちょっと舞台が高い方がよかったんじゃ? 座高の高い男の人はこれでいいのかもしれないけど。
※追記※ 友人の指摘によりますと、弁慶上使は2001年12月に浮世風呂と一緒に歌舞伎座で見てるはずとのこと(^_^;) 私覚えてないのはなぜ?私寝てた?(^_^;) でも赤い袖で記憶の一部が蘇ったのは確か。ちなみに団十郎の弁慶だったそうです。
やっぱり人間の記憶はあてにならない。記録を残しておくのは大事ね。