雙生隅田川 の感想

壽新春大歌舞伎
市川右近改め三代目市川右團次襲名披露
二代目市川右近初舞台

 2016年1月8日(昼の部)新橋演舞場

 三代猿之助四十八撰の内
 通し狂言「雙生隅田川(ふたごすみだがわ)」

 今年の初観劇は右団次襲名の新橋演舞場でござる。
 「雙生隅田川」をやるというので興味津々。正直をいうと夜の部も見たかったのだけど、今月は別の出費もあるので涙を飲んで自重(-_-)
 一行感想。見たかった演目。超楽しかった。



 発端は天狗と悪役が結託するところ。ファンタジーっぽい歌舞伎ストーリーにはよくある。そこから天狗の祟り?で当主落命、松若誘拐、梅若失踪、とご難続きで御台所は気が触れてしまうという超展開。二幕終了。……とここまで右団次出てこない(^_^;) 襲名興行なので、他家の御曹司が入れ替わり立ち替わり登場。廣松は私は多分初めて舞台で見た?(天狗メイクなので誰かわかんなかったごめん)
 それと二代目右近6歳。梅若松若が意外にしっかりセリフで物語を展開する、正直いうと6歳ではちょっと荷が重い役。大人のサポートなしで舞台上を動く場面もあり(多分亀治郎版より動きを減らしている)セリフと段取りをちゃんと覚えてないとできない役で、6歳でこれは上出来。この子、これを毎日月末までやるんだ〜夜の部で口上もあるし〜。でも役者人生のスタートとして、このうえなく恵まれている二代目右近初舞台であった。
 それと中車がどこに出てきたか思い出せないくらい、舞台の流れに馴染んでいたのはちょっと驚き。すっかり歌舞伎の人になった感がある。
 そして猿之助の女形と舞いは超安定。今年もまた猿之助詣になりそう。
 舞台の最後は、本水ステージで右団次の鯉つかみ。最初ちょろちょろと水芸風からどおおおおんと動く滝セットが見事。


(1)「雙生隅田川」について
(2)三代猿之助四十八撰
(2)市川右團次について

(1)「雙生隅田川」について
 私はこの演目は、歌舞伎チャンネルか何かで「隅田川」もの特集をやったときに知った。能の「隅田川」などと一緒に、日本舞踊や歌舞伎版として「雙生隅田川」の映像を放送したが、今思い返すと「雙生隅田川」全部ではなくて、隅田川伝説に関係ある部分だけの放送だったかな?私が録画をDVDに焼かなかった理由はそれかも。宙乗りの後、話の続きがあるのを知らなかったし(^_^;) ちなみに宙乗りあたりのシーンはyoutubeに上がってて、亀治郎9歳を見ることができる。
 原作は近松門左衛門だが、元々の能「隅田川」は単に子供の塚を訪ねる狂女の話。それがなんでお家騒動の話になってるのか? 歌舞伎は商業演劇なので、その時代のお客にうけるように書き直したとしか思えない。なるほど、人さらいで子供が死んで終りでは胸糞悪いから、人さらいが何がしか報いを受けなければお客は納得しなかったのだろう。
 今作は復活狂言ということで、何がどこらへんまで原典が現存しているか知らないけど、演奏が終始太棹なのは浄瑠璃の近松っぽさ?

(2)三代猿之助四十八撰
 三代目猿之助は江戸時代の芝居小屋の賑わいを現代に蘇らせる復活狂言や新作を発表してきた人。こんなにいっぱいある。私、死ぬまでに全部見られるのかなあ。私が見たやつをチェック。
(◎三代目で見た。○四代目で見た。□他役者で見た。△三代目を映像で見た。)

復活通し狂言十八番
?1.『金門五山桐』(きんもん ごさんの きり)
○2.『金幣猿島郡』(きんのざい さるしま だいり)
◎3.『加賀見山再岩藤』(かがみやま ごにちの いわふじ) 骨寄せの岩藤
◎4.『南総里見八犬伝』(なんそう さとみ はっけんでん)
 5.『小笠原諸礼忠孝』(おがさわら しょれいの おくのて) 小笠原騒動
△○6.『雙生隅田川』(ふたご すみだがわ)
 7.『君臣船浪宇和島』(きみはふね なみの うわじま) 宇和島騒動
△8.『慙紅葉汗顔見勢』(はじもみじ あせの かおみせ) 伊達の十役
9.『二十四時忠臣蔵』(じゅうにとき ちゅうしんぐら)
○10.『獨道五十三驛』(ひとりたび ごじゅうさんつぎ)
○11.『天竺徳兵衛新噺』(てんじくとくべい いまよう ばなし)
△○12.『當世流小栗判官』(とうりゅう おぐり はんがん)
 13.『御贔屓繋馬』(ごひいき つなぎうま)
 14.『菊宴月白浪』(きくのえん つきの しらなみ)
 15.『重重人重小町櫻』(じゅうにひとえ こまち ざくら)
○16.『四天王楓江戸粧』(してんのう もみじの えどぐま)
◎17.『四谷怪談忠臣蔵』(よつやかいだん ちゅうしんぐら)
◎18.『競伊勢物語』(はでくらべ いせものがたり)

猿之助新演出十集
 19.『太平記忠臣講釈』(たいへいき ちゅうしん こうしゃく)
□20.『傾城反魂香』(けいせい はんごんこう)
 21.『新舞台水昇鯉滝』(しんぶたい みずや こいたき) 鯉つかみ
○22.『奥州安達原』(おうしゅう あだちがはら) 二・三段目
△□○23.『義経千本桜』(よしつね せんぼんざくら) 忠信篇
 24.『黒手組曲輪達引』(くろてぐみ くるわの たてひき) 黒手組助六
 25.『敵討天下茶屋聚』(かたきうち てんがぢゃや むら)
 26.『於染久松色読販』(おそめ ひさまつ うきなの よみうり) お染の七役
 27.『摂州合邦辻』(せっしゅう がっぽうがつじ)
 28.『国性爺合戦』(こくせんや かっせん)

華果十曲
 29.『橋弁慶』(はし べんけい)
 30.『奴道成寺』(やっこ どうじょうじ)
 31.『望月』(もちづき)
 32.『景事杉酒屋』(けいごと すぎざかや)
□33.『太閤三番叟』(たいこう さんばそう)
○34.『流星』(りゅうせい)
○35.『鬼揃紅葉狩』(おにぞろい もみじがり)
 36.『大江山酒呑童子』(おおえやま しゅてんどうじ)
 37.『日本振袖始』(にほん ふりそで はじめ)
□38.『華果西遊記』(かか さいゆうき)

新作・スーパー歌舞伎十番
△□○39.『ヤマトタケル』
 40.『リュウオー』 龍王
△○41.『オグリ』 小栗判官
△42.『八犬伝』 南総里見八犬伝
 43.『カグヤ』 新竹取物語
 44.『オオクニヌシ』
◎45.『新・三国志』
◎46.『新・三国志 II』 孔明篇
◎□47.『新・三国志 III』 完結編
 48.『新・水滸伝』

(2)市川右團次について
 右団次襲名と前後して、月乃助や春猿が新派に移籍している。市川猿之助が四代目になったのは2012年のことで、若い当主になって、一度は沢瀉屋の舞台で主役を務めた右近や段治郎に四代目の下で使われてればいいじゃないかというと、そういうものでもないらしい。三代目が健勝だったら、沢瀉屋は現状維持だったのだろうか。でも遅かれ早かれ、猿之助は代替わりして、右近は別の屋号に移ることになっただろうとは思う。
 夜の部の口上は見てないけど、右団次になって何が違うかって、とりあえず髪形。四代目の襲名口上のときは、この髪形と三マス紋の裃じゃなかった。これで良かったかなと思う。
 成田屋と裃が同じなのは、実は沢瀉屋も高島屋も成田屋グループなのだ。これでそう遠くない未来に襲名するであろう団十郎をもり立てていくことになるのね。

追記。この日に限ってiPadが充電されてなくて、この日は写真なし(-_-;) 祝い幕が撮れなかった。

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