九月新派特別公演「振袖纏」「深川年増」

市川月乃助改め
二代目喜多村緑郎襲名披露
九月新派特別公演
<昼の部>
振袖纏
口上
深川年増

観劇日 2016年9月4日 於新橋演舞場

1609070.jpg
 いってまいりました。月乃助様の喜多村緑郎襲名公演です。
 新派ってなに? 私は新派の舞台や演目ははTVで何度か見たことがあるけど、劇場で見るのは初めてです。新派の襲名公演というも初めて見ます。新派も襲名披露てのがあるんだ?
 それと月乃助様は段治郎時代からファンでしたので、新派入りして喜多村緑郎となるのは、さみしいようなおめでたいような、ちょっと複雑な気持ちも…

新派とはなにか
 私が抱いている新派の印象は、「荒事や隈取がなくて、女優がいる歌舞伎」というかんじ。
 私のその印象はTVで見た「鶴八鶴次郎」で、出演は勘九郎時代の勘三郎と久里子だったけど、その印象は今回の公演でも変わらない。セリフなのか演出なのかわからないけど、何か独特の型とかお約束的様式的なものがあるよね。
 ああ、そういえば藤山直美が新橋でやった「かぐや姫」のとき、王子様役は月乃助だったじゃん。水谷八重子も出演していて…あれっ?あれは新派公演じゃないのか(^_^;)
 今の「新派」という劇団は戦後の成立で、詳しいことは新派公式サイト(ここ)に、明治時代からの系譜や主な演目が紹介されている。名前は新派だけど、日本の近代の演劇史の中では「古典」というべきなのかな。
 実は実は、私は新派?を知ったのは、子供の時見たTVのコントだった。別れろ切れろは芸者のときにいう言葉……は実はコントで見たのが最初だった。もちろん子供だったので意味はわからないまま、セリフだけ知っていた。「婦系図」を知ったのはだいぶ後になってから。ちなみに「愛染かつら」も「金色夜叉」もコントで見たのが先だった(^_^;)


口上
 これが見たくて劇場に行った。
 歌舞伎の襲名公演も何度か行ったけど、いいよね、祝い幕とかあって華やかな雰囲気で。
 基本的には歌舞伎でやってるのと同じようなかんじ。舞台の上に赤い敷物、その上に横一列に正座して順番にごあいさつ。
 歌舞伎と違うのは、衣装と言葉遣い。今月は、新派俳優と歌舞伎俳優が一緒に出てるんですが、居並ぶ面子は新派&歌舞伎混在のお衣装。新派は新派、歌舞伎は歌舞伎の衣装で口上の舞台に。
 歌舞伎はマゲに裃。女形は女形独特の裃。
 新派は、男優は紋付き羽織袴。女優は日本髪に黒留め袖?みたいな感じの着物。お正月ぽい、つまり現代の正装。新派の女形の男優さんは、口上では男優つまり羽織袴なんですね。
 言葉遣いは、歌舞伎役者も歌舞伎ほどに仰々しく節回しをつけたりしないかんじで、歌舞伎役者も新派に合わせている。
 喜多村緑郎襲名の他に、新入団や名前が改まった俳優も列座して紹介されていました。

振袖纏
 尾上松也主演。なんで松也が?というと、実は松也の妹が新派入団というご縁で。
 私は初めて見る演目なので、このあとどうなるんだろう????とか興味を持ってお話を追ってみていたんだけど、いろいろと「???」。う〜ん?そもそもタイトルが振袖なのに、男が主役なのは変じゃない?
 と思って検索したら、明治座での女歌手の公演がヒットして、ひょっとしてこれの元々の形は火消しの娘が主人公だったのかしら。だよね?でないとタイトルが意味するところはそうだよね。
 親不孝とかなに?祝言やら孫の顔やらちょっとみせてやればいいじゃない?とかいろいろと納得のいかない部分のある物語ではあるのは、元のお話をいろいろ改変しているからなのかも。松也の役の実家が武家の方が筋が通ると思うけど。
 火消装束がよく似合う松也と男優のみなさんがかっこよかったので、まあよかったかな。
 松也は私は特に好みとほどではないけど、見た目もいいし、声もよく通ってて、やっぱりかっこいい。

深川年増
 喜多村緑郎主演。きんつば屋の入り婿で歌舞伎役者。正妻(英太郎)、愛人(水谷八重子)、子供(人形)でモメるお話。
 これもタイトルがよくわからないのだが、年増というのは誰のことなんだろう?奥さん? この結末でいいの?
 幕切れは、水谷八重子と子と親子三人舟に乗って、花道を去っていくめでたしめでたし、なのだが、舟が花道に上手く入れずもたもたした(^_^;) それを浅瀬に乗り上げただのなんだのとアドリブでつなぎながらの花道だった。
 喜多村緑郎は、段治郎時代、私は毎回公演行くたびに舞台写真を買っていた。初めて見たのは、たぶんスーパー歌舞伎三国志の荀彧。それからスーパー歌舞伎で主役やったり、玉三郎の相手役で桜姫をやったり、あのころはこのまま天下をとるんじゃないかと思っていたわ。その後膝を故障したとかで、四代目猿之助襲名公演のころは、体重を落としてほっそりしていたのを覚えている。人生山あり谷あり。二代目喜多村緑郎は背が高くて、衣装は何を着せてもかっこいい。見てくれ以上に、声やセリフがよくてね。私は外見よりもむしろ声が好きだったです。

新派ってこれからどうするのだろう?
 水谷八重子や波乃久里子がいなくなったら一緒に消滅するのかと、この間まで思っていました。松竹はそんなこと思ってないのかもしれない。
 調べてみて、明治からの演劇史の様々な遺産があると知った。それを継承していくのが新派の主な役目ということだろうか。
 だが歌舞伎が今日あるのは、隠れもない商業主義によるところだ。文化遺産としての側面を維持しつつ、興行で利益を出すことが目的だ。
 新派はどうするんだろうなあ。
 新派の作品て、女優のために書かれたようなかんじがする。昔は本を書くヤツもお客も男だったんだろう。
 でも喜多村緑郎を歌舞伎から転身させたのは、女性の観客を意識しているのだろうか。確かに観客の多くは女性だったです。もしかして喜多村緑郎での新作をやったりしないかな。もちろんはやりの小説なりマンガを原作に。
 何かおもしろそうな原作で新作やるなら、また見に行っても良いかな。


※追記
 ひさびさの演舞場。去年のワンピース以来だわ。私は歌舞伎座よりもやっぱりこっちが好きかもしれない。舞台が近く感じる。

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