トレインビースト

「トレインビースト」
「トレインビースト KAI」
西野花著

 この作家先生の名前は知りませんでした。というのもBLCD原作になったことがないからだと思います。
 この作品をなんで買ったかというと、アマゾンとかの書店サイトを開くと「あなたにオススメの作品」でしばしば見かけたからです。タイトルと版元レビューで「痴漢最終電車」な設定なのがわかるので、興味をひかれてポチりました。

一行感想
野球に例えると、高目ボール球から変化して内角をえぐる魔球。思わず手を出したらホームランに。


(↓ネタバレ感想)


 やばそうなシチュエーションのわりには、面白かったです。
 男性向けジャンルのゲームやアニメで「痴漢最終電車」というのがちょっと以前にヒットしましたよね。あれもどきのこしらえでお話が始まるけど、そこはどうでもいいところなので詳しくは説明されない。
 お話は、もちろん痴漢電車というからには多人数プレイでエロ爆盛り、主人公は天性の淫乱受けが覚醒して…とテンプレ通り。そんなBL見飽きただろうと思うのだが、作者の作風なのかHシーンは意外にヘビーな印象がなく、やってることのわりに怖いお話に思えない。また、まわりとうまくやっていけないタイプの主人公の自己認識、抑圧からの脱却と自立へとつながっていく流れが、えっちなBL小説の良い読後感になっていると思う。

 この二作は、同じ設定で主人公が違う。
 Hシーンでの頭数は多いけど(^_^;)、登場人物は多くない。じゃあこの中の誰が本命に?となると、一作目は意外にも後から出てきた男の方が本命くんになる。一方、二作目KAIは、最初から相手がちゃんと決まっている構成。
 私は1作目が好み。結末は「え?それ?」(^_^;)みたいなオチで、これでいいの?いいのかな?いいよね?(^_^;)というひねりが聞いててなかなか心憎い。このあとのことを考えるといろいろ不安要素も残しつつ、そこもおもしろい。

 痴漢もので何が面白いと思えるのか考えたんだけど、うーん、なんだろう?
 痴漢設定ということなので、特定の相手以外は顔も名前も無いただのモブ野郎。主人公の人生にとってはどーでもいい、それは言いすぎとしても、なんら影響を及ぼすような存在ではない。この距離感がいい。誰にも影響されない影響しないという無関心かつ無責任な距離感。3P4Pだと相手が誰でどんな動機なのかが書かれているので、それを理解しないと話が進まない。でも電車の中のモブ野郎は、何を考えていようともどうでもいいし、関係ない。人語を話す犬猫みたいなみたいなもの。この後腐れの無いスッキリ感がいいのである。
 ついでにいうと、本命くんになる男ともちょっと距離感がある。そこもいいのかも。
 窒息していた主人公を釣りあげてくれた本命男の、ちょっと屈折した愛情? 愛情なのか?これは。これが許せない人も多いと思う。私は、何でもわかってくれる理想的なスーパーマンだから、好き。でも最後まで何考えているのかいろいろ謎だし(趣味偏ってるし)主人公にいろいろ不安を抱かせてくれる。この距離感がなかなか縮まらないのが良かった。
 だけど、一作目。お話はあそこで終わっているけど、痴漢電車は営業なので、当然彼は次の接客要員を発掘して開発することになるんだろな。そんな男とこれからも仲良くしていくんだね(^_^;) 天性のHな主人公とはお互い様ではあると思うけど。
 二作目の方は最初から固定カプなので、余計な選択肢がない。そこが安定してて読んでて不安になることがない。…ない?(^_^;) 男の変な趣味につきあっていくだけで、何も考えなくてもいいから(^_^;)不安じゃないはず。高校の部員が出てくるあたりは好みの分かれるところだと思うけど、さっきもいったようにモブは何人いても犬や猫と同じ。無個性なので後を引かない。


 三作目は書かれるんでしょうか。ちょっと期待。

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