明治座 五月花形歌舞伎

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↑サイン入りポスター

明治座 五月花形歌舞伎
観劇日:2016.5.10

(昼の部)
歌舞伎十八番 矢の根
男の花道

(夜の部)
あんまと泥棒
湧昇水鯉滝(わきのぼるみずにこいたき)通し狂言 鯉つかみ


 猿之助様詣で明治座へ。
 今月は、右近はもちろん、中車、愛之助という組み合わせ。
 実は4月は、中車を除く同じメンツで名古屋で公演していました。そっちも見たかったのですが……

 昨年、新橋→明治座と続けて、三代目猿之助ものを中心に上演する猿之助祭りでした。
 この春の猿之助は「雪之丞」「男の花道」と、長谷川一夫シリーズ? 歌舞伎の歴史にとってはほとんど今☆の作品。どちらも主人公が女形の役者という設定の物語である。
 こういう作品のチョイスには、やっぱり何か意味があるんだろうなあと思う。中車を入れているので、がちがちの古典はできないという制約があるにしても、同じベクトルの作品を続けて上演するというのは、松竹の戦略的な方針かなんだろうか。


歌舞伎十八番 矢の根
 お正月向きのおめでたい?内容で30分ほどの短い上演。歌舞伎ファンならテレビかなんかで一度は見たことがあるかもしれない、要するに有名な演目で、きっちり型が決まっているものなので、実は難しいんだろうな。市川右近主演。
 資料によると、最初の上演は享保年間ごろで、意外に古いものらしいです。当然これだけの独立した演目じゃなくて、前後に他のもセットになっていたはずだけど、今残ってるのは矢の根だけみたいです。
 見どころは…ですね、しばしまどろむ…とお昼寝する五郎たん。あんなこんなごっつい衣装でどうやって寝るの???えっ? ……いや、私テレビで観たことあったけど、やっぱりあれはウケる。
 そして身支度する五郎たん。背中の綱、背負うだけかと思ったら、後見ふたりがかりできっちり結び直すのね。すっごい大変。終わったとき、おもわずお客さんは拍手してしまいます。
 そして駄馬?にまたがり、大根を鞭に、花道をひっこむかっこよさ。た…たぶんかっこいいんだと思います(^_^;)
 BGMの語りとかセリフとか、何言ってるのかわかんないところ(古語)がそこかしこありましたが、まあ理解はだいたいでよろしい。おおらかな江戸前な歌舞伎。

男の花道
 4月に引き続き、長谷川一夫ゆかりの演目、ということですが、私の世代では長谷川一夫というとベルバラの演出家であって、映像や舞台の長谷川一夫はよく知りません。だいたいうちの母(戦中派)あたりがストライクな世代じゃないでしょうか。
 それでも「長谷川一夫」や「雪之丞」「男の花道」タイトルは多分誰もが知ってる、聞いたことくらいはあるんじゃないだろうか。私も一応タイトルだけ知ってる、それだけでなぜか見る前から愉しみに感じるもの。
 お話。舞台は幕末あたり。人気歌舞伎役者・歌右衛門はほとんど失明?これから一座は江戸の興行というのに…東海道の宿場で思い余って身投げをしようとした歌右衛門を、旅の眼科医が救う。オランダ医学を修め、これから江戸出るという医者と再会を約束して別れる。数年後、酒の席のトラブルで眼科医は歌右衛門を座敷に呼びつけることになったが、歌右衛門は舞台の最中であった。果たして歌右衛門はやって来られるのか。
 ……だいたいこういう話だったと思います。話は一本道でわかりやすく、猿之助ファン的に見どころもいっぱい。でもそれで以前に、けっこう「???」な謎が…。
(1)これは以前雪之丞(段治郎版)を見た時も思ったことなのですが、女形役者はなぜ日常的に女物の着物を着ているのか?
 当時の髪形ルールでは頭の頂点がハゲですから、頭巾みたいなものを乗せてるのは女形役者。人前に出るとき、女形らしい服装をしているのはいいとして、お風呂入った後とか、私生活でも女物を着ているのは何故なんだろう? 女装男子? それが女形役者のありようなのだろうか。言葉遣いや立ち居振る舞いも女性っぽい。
 よくわからないけど、少なくとも雪之丞や男の花道の映画が最初に撮られた当時は、別に不思議なことでも何でもなかったのに違いない。このへんの感覚が今はわからなくなってる。
 (2)男の友情ってどこが? 医者が患者を励ましたり、治療に取り組むのはいたって当たり前のことだから、相手が美人の歌右衛門だから特別に親切だったとか、そういうことじゃないよね?(^_^;) いや、お医者の方は冒頭の場面で歌右衛門の芝居を観に行ってるから、宿場で再会したときすでに歌右衛門のファンだったということはあるかもしれん(^_^;)
 じゃあ歌右衛門は? 患者と医者の関係で友情って成立する?なんで? 治療してもらって先生ありがとうございます、って信頼と尊敬を寄せるのって、それって友情? 10日間で仲良しになったってこと?
(3)ところどころにはさまれるBGM?で使われている録音音源はなに? なぜここだけ録音なのだろう。
 ……考えても解けない謎なので、そのまま進む。
 舞台は途中から劇中劇になり、明治座で歌右衛門の舞台を見ている設定になる。舞台では「櫓のお七」を上演中。この「櫓のお七」が本物なのだ。きれいな町娘な猿之助の人形振りが見られる。着物がばさーっ。髷をばさーっ。
「今年は、この後7月歌舞伎座で、秋はワンピース歌舞伎だけど、そのうちこういうがっつりとした古典も見たいよね…」
猿之助様ファンとして思いました。
 お七が櫓を上り始めたそのタイミングで、文を手渡される歌右衛門。文を手に、芝居が中断。幕が引かれて、歌右衛門が出てきて「上演中だけど恩人のところへ行ってきます」と謝罪する。よし!行ってこい!と観客。猿之助は花道じゃなくて、一階の通路をつっきって出て、眼科医先生の待つお座敷へ。
 あれほど慌てて劇場を飛び出したはずなのに、急ぎ駕籠を走らせたと思うんだけど、きれいに着替えて歌右衛門が駆けつける。え〜なんで〜。余裕じゃーん。(あとで調べたのですが、ここはお七のこしらえのまま駆けつける演出もあるらしいです。)ここで歌右衛門は「老松」を舞ってみせるのでした。ここの猿之助の衣装が、黒字に裾や袖に松の模様で雪が散ってるみたいな柄、これが実は長谷川一夫の衣装なのだそうです。パンフレットに書いてありました。またパンフによると、この男の花道は猿之助用に5年前に書かれたものなのだそうです。
 イケズなお殿様(ラブリン)は、あのあと家に帰って奥さんと妹に怒られるんだろうな……夫人「歌右衛門の舞台、途中までしか見られなかったのはおまえのせいかっ?」妹「しかもお兄さまだけ歌右衛門の老松をお座敷で見たなんて許せない!」んなつまらないゴタゴタで人呼びつけるから(^_^;) でもおかげで歌右衛門は眼科医先生に再会できたので、めでたしめでたしなのであった。

あんまと泥棒
 夜の部の最初は、猿之助+中車従兄弟タッグによる、二人芝居。
 お話。営業を終えて長屋に帰ってきたあんま中車。そこへ噂をききつけてきた泥棒?強盗?猿之助が侵入。めくらなので明かりなどいらないだの、泥棒の追求をのらりくらりとかわし、ついには説教を始めるあんま。とうとう朝になり、あんまの身の上に同情して、有り金を恵んで去っていく泥棒。
 原作はラジオドラマとして書かれた作品で、何度も上演されているらしい。
 舞台は暗くて、汚い貧乏長屋。えんえんと二人だけでセリフのやりとりのお芝居。動きも踊りもないけど、退屈しないのは、そこは役者の器によるところよね。
 社会の下層の弱者のはずが、実はしたたかで抜け目のないあんま。猿之助の泥棒は、若くて意外にかっこいいから(←ファン心理)何も泥棒なんかしなくても食えるのでは?(^_^;) パンフには過去の上演写真などが載ってて、あんま役は似たようなかんじ。泥棒役の印象(年齢とか風貌)は役者それぞれみたいです。

湧昇水鯉滝 通し狂言 鯉つかみ
 最近愛之助が頻繁に上演している印象の演目。噂には聞いてるけどいったいどんなお芝居?(@o@)
 お話。鯉の呪い?姫さまぴーんち!お家のぴーんち!そこへ駆けつける愛之助(だいたいそんなかんじ(^_^;))
 愛之助が一人で6役やっているので、あっちにもこっちにも愛之助。どれが主人公なのかわからないぞ(^_^;) ポスターで鯉をとったどーヽ(^o^)ノをしている愛之助は誰役なんだ? 奴か? 愛之助の奴って男前だけど、なんか実はどっかのご落胤?下賎な出身には見えないので、じゃあこれ?とか思ったら違うし(^_^;) だんまりの最後でお宝をぶんどっていくあれは誰?(←歌舞伎あるある)
 ま、細かいことはいいか(^_^;)
 最後の見せ場は、愛之助と鯉がステージ特設プールで対戦。今風に言えばプロレスのプールマッチ。ポスターになってる鯉とったどー男は、実はそこまでストーリーに出てこなかった御曹司キャラだったのだ。プールといってもこどもプールくらいな深さなので、これでバトルするのはけっこう危ないんじゃないかと思います。
 客席にばしゃばしゃ水を飛ばして、大盛り上がりで終わる。
 「鯉つかみ」は、江戸時代からあるものだそうです。ストーリーとか内容はいろいろらしい。いろいろフリーダムらしい。今回のもの冒頭の、ムカデ退治は後付けらしいです。セリフが全般的に古風で、頭の中で古文テキスト→現代語訳に変換しながら見てるけど、うっかり聞き逃してしまいがちだったりするけど、人物紹介とかあまり細かいことはどうでもいいと思います(^_^;) え?なんで?これだれ?とか思いながら見るのもお芝居だと思うのだ。

 猿之助さまの舞台写真だいぶかっちゃった(^_^;)
 金を使ったら負け!と言ったであろうがっ

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