DIABLO Jin-Kazamaの旅(1)
2015年01月07日

友と一緒に旅立つRPG
DIABLO
Jin-Kazamaの旅(2002年ごろの記録)
旅支度
僕が「Diablo」というゲームを知ったのは、知人のHeihachiさんからだった。1987年9月のことだった。
当時、すでにブームに火がついていて品薄状態だったので、話には聞いたけどショップには現物がなかった。「すごく面白いから!」と耳タコで洗脳されたせいか、たまたまアイワールドで数個見かけた途端、それを持ってレジの前に立っている僕がいた(笑)。
どーすんだよ、俺、Macユーザだぜ(爆)
仕方ないので、30万円握ってノートパソコンを買いに行った。窓機の。(Windows95)
「ゲームやりたいんだけど…」と口ごもる僕に、店員さんは
「ディアブロですか? インターネットゲームだったら、このくらいでないとゲームになりませんよ」などといろいろ相談に乗ってくれた。
ディアブロMac版は開発中とは聞いていたのだけど、発売なんていったいいつになるのか見当もつかず、待ち切れない僕だった。
SUBARU 初めてのディアブロ
もうこのキャラは消してしまったけど、一番最初にお試しでバトルネットに入った時はローグだった。入ったところで「初めてなんですけど…」と言ったら、ベテランが2人声をかけてくれて、このへんの手順は前にHeihachiさんに聞いていたとおりだ。2人は30分くらいつきあってくれて、マルチプレイというものを初体験した。
実に面白いと思った。そして、なんとなくDiabloってWizardryに似てるな、と思った。チャットでパーティの面子を募って、そしてダンジョンで協力して戦って、アイテムやお金を山分けして……。メーカーのお仕着せのキャラクターや物語などなく、やるたびにいろいろなドラマを参加者自身が編んでいくのだ。
ローグで何度か潜ってみたけど、パーティプレイが難しいのが困り者だった。味方を撃っちゃってパーティの迷惑にはなりたくないし、当たらないように気をつけていると結局自分だけレベルが上がらない。それでローグで潜ることをあきらめて、SUBARUは消去しました。
戦士I****
戦士Jin-Kazamaがバトルネットに出たのは、多分lv-11くらいの時だったと思う。97年の10月ごろのことで、「TEKKEN3」という名前でパブリックゲームを作っていた。
ある日、このゲームにふらりと入ってきたI****という戦士は開口一番、
「俺、鉄拳のファンなんだ。キング使いだ」
と言った。TEKKENなんてゲーム名で待ってれば、こういうことを言う人は他にもいたけど、I****は「お近づきの印」と言ってゲームにはいる前に剣をプレゼントしてくれたのだった。HEAVENSの剣で、Jinには初めて見る能力アップしてくれる高級なアイテムだった。
I***の他にも2人入ってきて、MAXの4人で遊んだ。どんな風に遊んだのか、今思い出そうとしてもどうしても思い出せないけれど、でも初対面でもとても充実して楽しかった。
別れ際、I****が「明日も一緒にやろう」と誘ってくれた。Jinは初めてディアブロでデートに誘われたのだ。しかも男の人から。
わくわくしながら翌日約束の時間にバトルネットに行ったが、I****の姿はなかった。パブリックゲーム「TEKKEN3」で待っていたけど来なかった。
それから1ヶ月ほどした頃、バトルネットのチャットで見知らぬ戦士に話しかけられた。
「I***て覚えてる?」
実は、その見知らぬ戦士がI***その人だった。あれからPCのハードディスクがクラッシュして、I***は電子の藻屑と消えたのだと語った。前に会った時はI***の方がレベルが上だったのに、彼はまだJinより下だった。
「早くJinのレベルに追いつくぞ」
それから幾日か続けて一緒に潜った。
この不思議な縁は、実はまだ続いている。最初にもらったHEAVENSの剣をJinはまだ持っているのである。決して思いでの品というつもりじゃなく、BOOKを読むためだけに持っていたのだけど、なぜか手放すこともなく残っているのだ。
Obsidian ring of the Zodiacの物語
Jinが初めてヘルに入ったのは、レベル18くらいの時のことだった。チャットでたまたま誘われた見ず知らずのパーティだったと思う。Jin以外はレベル20以上あって、死にまくってるJinを嫌がりもせず連れて、Cavesをサクサク進んでいた。
この頃のJinは最弱最低の戦士だった。Jinは最初のキャラなので、実力以上のいい装備を持っていない。またMagicやDexを先にMAXにするような育て方をしていたので、Jinはレベルの割に力の弱い戦士だったのだ。だから切りかかってもモンスターは簡単には死んでくれないし、また敵の攻撃に耐えられず、やたらに死んではパーティを足止めさせていた。
みかねて、面子の一人の戦士S(仮名)がいろいろ武器、防具をくれた。そのうちのひとつが、Obsidian ring of the Zodiac だった。この指輪1個を装備するだけで、魔法耐性や能力値が信じられないほどアップするアイテムである。しかしこの時はJinはこの指輪の意味がよくわかっていなかった。
あまりにもいい指輪なので、こんないいもんもらっていいのかな?という疑問が一瞬頭をよぎったけれど、しかし死にまくってパーティに迷惑をかけてばかりなのも申し訳ないので、とりあえずもらってしまった。
パーティはCavesをクリアして、さあ、これからいよいよHellに降りる階段の前まで来た。
「無理だよ…これ以上」
さっさと降りていってしまうパーティ。でもJinはそこで躊躇していた。もうゲームから降りよう、と本気で思っていたら、戦士S(仮名)が階段を戻ってきた。
「これをあげるよ」
と彼はさらに、ロイヤルサークレットをくれたのだ。これも貴重なヘルメットだ。私はここでやっと理解した。多分これはコピーアイテムとかハックアイテムと呼ばれる不正なアイテムにちがいなかった。どうしよう、と迷うJinに戦士S(仮名)はこう言った。
「お守りだと思って」
殺し文句だった。いい悪いはどうでもいい。Jinはロイヤルサークレットを装備して、戦士S(仮名)についていく気になった。
結局、Jinは16階まで行ったところで断念した。敵の魔法使いのFBに即死してしまうのだ。一歩も前に進めなくなって、Jinは一人タウンに戻り、ディアブロを倒したみんながゲームから落ちていくのを見送っていた。タウンにはゲットしたアイテムがたくさん残されて、こうしてJinは初のHell挑戦で謎のアイテムとお金で荷物がいっぱいになった。
その後、この時戦士S(仮名)もらった謎のアイテムは、お金にかわったり、盗まれたり、PKに強奪されたり、ネット落ちで失ったりして、すっかりなくなってしまった。ただ、 Obsidian ring of the Zodiac だけはまだ持っている。Jinはこの指輪をハックアイテムだと思っていたので、装備してなかったのだ。あとで詳しい人に聞いたら、数値がMAXの珍しいものでコピーアイテムだろうとのことだった。
もちろんJinはレジットプレイヤーだから、不正なアイテムは一切装備しない。ネット落ちでもバックアップから復帰することもしない。PKに装備を強奪されたときには、新しく集めなおした。Obsidian ring of the Zodiac はこの時、粗末な装備で苦労するJinを助けることになった。
戦士S(仮名)には二度と会うことはなかった。Obsidian ring of the Zodiac は戦士Jin-Kazamaの思い出が詰まってる。たとえ偽物でもね。
チートプレイヤーと恋をした
Jinが初めてB***(仮名)に出会ったのは97年11月の、朝bloのチャットだった。徹夜明けのディアブロチャットにいつづけた時に「PKにやられた」と言ってやってきた戦士… あれが多分彼だったように記憶している。
朝bloチャットは人もまばらで、ものの数人しかいない。何回か徹夜明けで遊んでいるうちに朝blo組で顔見知りができて、B***はその中の一人だった。出会ったとき一緒に潜ったのか、初めて潜ったときの印象とか、実は全然覚えていない。
どうして、どこで親しくなっていったのかもあまり覚えていない。
あれは、JinがPKに襲われて、ごっそり装備を強奪された時のことだった。間に合わせの装備はとりあえず買い込んだものの、これではなあ…AC思いきり低いぞ…と落ち込んでいる時、B***がやってきた。
「PKの名前は? アカウントは?」
B***は色をなして怒り、俺がPKKしてやるといわんばかりだった。今思えば、この時彼がチートだと気づいてもよかったのだが。それで「アイテム探しにつ きあうよ」と言われて、一緒にノーマルヘルに潜った。ろくなもんが出なくて、B***は「今はこれくらいしかあげるものがない」と自分が予備で持っていた剣を くれたのだった。
B***がチートだと明かしたのは、年も明けて98年1月だったと思う。ネット落ちで装備 をなくしたJinががっくりきてチャットにいるとき、彼は「Jinはハックアイテムって持ってる?」と聞いていた。嘘はつけないので
「装備はしてないけど 持ってるよ」(例の指輪(^_^;))
と答えると、「じゃあ、一緒に行こう」と誘われた。
プレイベートゲームに入って、彼は自分はチートプレイヤーだと告白した。そして謎めいたリングやアミュレットを出して
「アイテムを集め直すまでのつなぎだよ」
「装備しないなら、お金だと思って持ってて」
と言った。
98年2月の終わりごろ「ハードディスクの調子がおかしい」と彼が言ってるのを最後に会えなくなってしまった。
いなくなる前の最後の思い出。B***がプレゼントしてくれたawesome+のフルプレート。
「これをゲットした瞬間、Jinにあげようと思った。コピーじゃないよ、本物だよ」
もちろん今現在Jinが装備しているものだ。絶対になくしたくないので、今までの主義を曲げてバックアップをとった。
Kazuya-Mishima
マイキャラ・Kazuya-Mishimaを作ったのは、チートプレイヤーB***(仮名)とつきあうようになってからだ。
「次のアイテムをゲットするまでの場つなぎに」「お金だと思って」とB***がくれた様々なコピーアイテムやハックアイテム。Jinにそこそこアイテムがそろってきたので、そろそろ手放してもよい頃になっていた。
しかしJinはそれを捨てたくなかった。彼氏(笑)がくれたものなのだ。そこへんのわけわからんPKが置いていったもんとはやっぱりちがうのだ。
それで新キャラを作った。それが、偽アイテム専門キャラ(笑) Kazuya-Mishimaである。彼はコピーアイテムとハックアイテムしか装備しない戦士なのだ。(笑)
Kazuya-Mishimaというのは、実はJin-Kazamaの実の父親の名前である。くわしいことはナムコの対戦格闘ゲーム「鉄拳」シリーズの設定を読んでほしいが、Kazuyaは自分の実の父である三島平八を崖から突き落としたり、自分をかばってくれた父を見殺しにするような男で、キャッチコピーが「冷血御曹司」だったりする。ハックアイテムを専門に装備するにはなかなかふさわしいネーミングなのである。
ところがレベル1のKazuyaでは、まだフルプレートも剣も装備できなかった。リングやらアミュレットやらいっぱい装備して、ようやく装備できたKazuyaだった(笑)
しかし、Kazuyaはパーティプレイができない。キャラクターには一切細工はしてないのだが、なにせ持ち物がああいうのばっかりである。
たまにパブリックゲームでぶらぶらしているとき、プレイヤーが参加してくることがある。Kazuyaはハックアイテムは持っているがフェアな奴であるから、潜る前に
「俺はキャラには細工してないが、装備は全部コピーとハックだ。それでよければ一緒に潜ろう」
と必ず告げる。するとたいていの奴は無礼極まりない態度で、ろくに挨拶もせずに去っていく。「俺は気にしない」と答えるのはPKくらいである(笑)
そんなわけでKazuyaはいつも孤独だが、しかしそれはそれでとても彼らしいのだ。
Heihachi
問題のこの人のこと書こう。
HeihachiはJinにDiabloを教えてくれた感染源(笑)である。まったく大変なものを紹介してくれた(笑)
一番最初にDiabloの名前を聞かされたときは、いったいなんのことだろう?と思っていた。インターネットで遊ぶゲームというのがイマイチわからなくて、正直なところ猫またぎだった。それでたまたま実際にプレイしているところを見せてもらう機会があった。うーむ。今考えると彼はわざわざ見せる機会を作ったのだろうか?
そんなわけで熱しやすい性格のJinは、Heihachiの思惑通り、あっという間にはまってしまって徹夜しまくりネットゲーマーに転落してしまった(笑)
Heihachiとはぐーぜん何度がDiabloで出くわしたことがある。
Jinがまだヒヨコ戦士のlv16の頃、チャットで。Heihachiは英語でチャットに乱入(笑) チャット荒しか?と言われてしまっていたっけ(笑) Jinもいきなり英語で話しかけられてびっくりした…(^_^;)
チャットに居合わせた人たちの「おお、鉄拳だ」という注目を集めたあと、Heihachiは、
「じゃあ、Jin。行こうか~」
うわーい(^o^) おじいさまとデートだ~、と思ったのだけど、時刻は朝の5時半(爆) 大丈夫なのか?Heihachi。この人、サラリーマンじゃないのか~? いったいいつ寝てるんだ、この人は?
次に会ったのはJinがPKに遭遇して命からがら逃げてきた時だった。この時、Jinは半泣きだった。PKがNOVAの連続攻撃をしてきたのだけど、Jinは当たりどころがよかったらしく死なずにダンジョンを脱出したのだ。しかし一緒にいた他のメンツが「死なないのはおかしい。おまえはチートだろう?」とJinを非難。Jinは英語は多少読めるけど、実はほとんど書けない(T_T) だから抗弁も何もできなくて、泣く泣くゲームを降りた……。
HeihachiはJinが何か変なアイテムを持っているんじゃないか?と思ったらしく、「じゃあ、アイテムを見せて」と一緒にゲームに入った。そしてHeihachiはJinの装備を全部調べたあと、「PKの手口を教えてあげよう」とJinをPKしまくって帰っていった(笑)
日本人PKにアイテムを奪われる
噂に聞くアイテム強奪PKに遭遇した時のことを書こう。
ディアブロでは日常茶飯事のPKもこれだけは被害がキツイので、参考までに話をみんな聞いてほしい。「危険なパブリックゲームなんかで遊ばないから大丈夫」なんて思っているあなた、それはちがう。パブリックゲームなら、PKに出くわしても、モンスターにやられても、たまたま親切な誰かがゲームに入ってきて助けてくれるかもしれない。たとえチートであったとしても、PKとは限らない。
Jinがアイテムを強奪されたのは、プライベートゲーム。チャットで意気投合して始めたゲームでのこと。プライベートゲームは密室なのである。
その朝は徹夜明けで、見知った名前の人とチャットをしていた。Jinはレベル25くらいじゃなかったかな。じゃあ、もうひと潜りしようか…ということになって、戦士のJinと、あとローグ3人で行く予定だった。そのうちの一番ベテランのローグが都合ができたとかでネットから落ちていき、残り3人でゲームに入った。
事件は、いきなりヘルに降りた場所で起きた。
階段を下りた場所でいきなりモンスターの集団に襲われた。大混乱に陥り、抵抗する間もなくJinは倒れた。援護魔法なしでナイトメアのモンスターと真っ向戦えるほどJinは強くなかったのだ。
この時、プライベートゲームということで完全に警戒感が欠落していた。今考えれば、階段下にモンスターがいたこと、ローグの一人が生き残っていたことで変だと思わなければいけなかったのだが、さっきも言ったようにプライベートゲームなので「PK」という考えが浮かばなかったのだ。
生き残ったローグは「ちょっと待ってて」と呼びかけてきたので、生き返らせてくれるものと思って、もう一人一緒に倒れたローグと大人しく待っていたのだ。生き返った瞬間、Jinも彼女も装備をつけていた。一瞬「あれ?」と思ったのだけど、すぐにまたモンスターに襲われて死んでしまった。
さっきの混乱から生き残ったローグは今度も生き残り「ごめーん。ちょっと待ってて」というので、のんびり待っていた。やがて生き返ったものの、落ちているはずの装備がない。「装備がない??」とおたおたしていると、さっきのローグが「タウンにあるよ」という。二人ともてっけり彼女が回収してくれたのか?と人のいいことを考えて、TPで街に戻った。
……すると、町中にはお金が散乱しているのだった……
Jin「いったいどういうことなんだ? これは」
PKローグ「売ったの」
Jin「なんだって?」
PKローグ「装備を売ったの」
くだんのローグはチートPKだったのである。しかもアイテムを剥いで、金にしてばらまくという嫌がらせのおまけつきの。そのうえぬけぬけとゲームに残って、こっちの反応を見るという…。
Jinはどうにも腹に据えかね、何度も「どういうことかよくわからない。説明しろ」としつこくチャットを仕掛け、
Jin「今度会う時が楽しみだねえ」
PKローグ「そうね」
Jin「社交辞令だよ。俺は面食なんだ」
そいつより先にゲームを降りるのは大変くやしい。こっちがギブアップでゲームを降りるのを待っているのは見え見えだった。だから最後まで居座ってやろうと思った。
問題はアイテムだった。とりあえずゲームを続行するには当面金が必要だとJinは考えた。
Jin「アイテムはもういいよ。金だけでも回収しよう」
と被害に遭ったもう一人に話しかけると、「拾うのはいやだ」という。
それでもJinは拾った。現実問題として、このままではゲームは続けられないし、元の状態にも戻れない。それに……PKが金を拾わせてがっかりさせようと思っているのなら、余計にひろってやろう! 自分が勝ったと思っている相手に「NO.」と答えてやることが、Jinの最も好きなことのひとつだ。
案の定、PKのやつはJinが金を拾い始めると姿を消した。
一緒に被害にあったローグは女性プレイヤーだった。長いことディアブロをやっていたが、プライベートゲームでしか遊んだことがなかったので、PKは初めてだったそうだ。おまけにアイテムを盗られるという二重のショックでかなり落ち込んでいた。
その後、彼女とは午後にもう一回待ちあわせてお金をわけた。次に会ったときは、知りあいにアイテムを譲ってもらったとかで、ちょっと元気になっていた。
Jinは彼女にあげた金の半分で、新しいアイテムを買った。
この事件のことをチャットで話したら、金を拾ったことで、あるプレイヤーが
「へー。乞食をしちゃったんだ~」
と言った。こういう志の低いやつとは喧嘩するのもばかばかしい。Jinはバックアップからは敢えて復帰してない。チートPKが期待するようなことはしない。ヤツが思い通にできるのはデータだけだ。
Jin-Kazamaはそういう奴なのである。
Lee
LeeはHeihachiさんを介して知りあった人で、かなり長いこと一緒にディアブロを遊んでもらった。それが、元々はLeeじゃなくて別の名前だったのだけど、Jinと遊ぶためにわざわざLeeというキャラを作ったような人なんだ。「鉄拳」の設定を見るとわかると思うけど、LeeというのはJinの叔父さんにあたる人物である。これで機会があったらHeihachiを呼んで鉄拳パーティでHellに行こうなんて考えていたのだ。
でもLeeとパブリックゲームにいると、NinaとかAnnaを名乗る人がやってくることもあって、なかなかそれらしいメンツで遊ぶこともできた。
「Leeを名乗るなんて何者?」なんて、Leeファンの人は怒ることはないぞ。オフラインで会ったことがあるけど、御本人はLeeを名乗るのを許せるくらいのかっこいいお兄さんなので納得してくれ。
彼はその後転職したりして、ネットにくる時間帯が変わってしまって遊べなくなってしまった。先日ICQでお話する機会があって、ディアブロ2ではまた一緒にやろうと言われて嬉しかった。でもキャラクターは何にすればいいのかな? やっぱJinじゃなくてかわいい女の子の方がいいのかな?
NOMUsan
これはマイキャラで、初めて作ったソーサラーである。もちろん野村克也監督にあやかってつけた名前だ。この当時はヤクルトスワローズ監督だった。
戦士やローグはそこそこ使える程度に育ったので、今まで使ったことのなかった魔法使いをやってみようと思い、鉄拳とは関係ないネーミングでキャラクターデザインにマッチしたキャラ…と考えてノムさんにした。
魔法使いって本当に序盤がつらい。Jinの稼いだ金やアイテムをごっそり持ち込んで、やっとの思いでlv16くらいまで育てた。
さあ、パブリックゲームで遊ぶぞ~。
さっそくヤクルトスワローズという名前でゲームを作って待っていると、二人ほど戦士がやってきた。
「プロ野球ファン?」
と聞くと、二人とも
「そうだ」
と答えた。
「どこのファン?」
「阪神」
「俺はカープだ」
ああ、よかった…と思った。
「Gのつくところだったら、どうしようかと思った」
というと、彼らはとんでもないことを言いだした。
「今ここにGファンが来たら、PKしてやる」
「当然PKだ」
おいおい~(^_^;)
幸いなことに、やってきたのガイジンのレジットPKだった。なんか3人とも妙にテンション高くて、3人でこのガイジンをフクロにしてしまった。ガイジンは自分がPKのくせに、怒ってゲームから落ちていった。
別の機会にやはりヤクルトスワローズという名前でゲームを作ったら、その時は昼間だったせいかガイジンばかり入ってきて参った。入ってきては「ヤクルトスワローズとは何か?」と聞かれるので、英語不自由さんのJinはカタコト単語で説明するしかなかった。通じたのだろうか?
今度NOMUさんでゲームを作るなら、Hanshin Tigers か…
M
どこのどういう人かもわからない。PUBでたった一度会っただけで、でもとても印象深く覚えている戦士だ。名前はMの一文字、その時彼はlv19だった。
(この時のマイキャラはJinではなくて、lv16のローグ・Crioだった)
PUBゲームを作ると、すぐに3人ゲームに入ってきた。その中の一人で最初に入ってきたのがMだった。
彼は入ってくるなり、アイテムショップに向かい、
「何か弓は必要か?」
と英語で聞いてきた。PUBで見知らぬ人からアイテムをもらうな、というのがレジットプレイヤーの心得である。当然Crioは「いらない」と答えた。
ところが、彼は1つ買ってよこしたのである。bow of the moon だった。レベルのまだまだ低いCrioにはありがたいシロモノで、結局「ありがとう」ともらってしまった。
次に入ってきたのは、なんか読めないアジア風の名前の戦士で、しばらく3人で無言のままゲームをやっていた。つまり3人とも英語不自由さんだったのである(笑) でもそれでも、いつも同じ画面に3人離れずにいるいい感じで、黙々とゲームをこなしていた。
まもなく4人目がきたが、こいつがPKだった。あっという間に3人ともぶっ殺され、ゲームを落ちてしまった。
PUBをみてみると、まだゲームが存在ないか。つまりそこにまだPKが居残っているのだ。なんか悔しくてゲームに戻ってみると、PKとは入れ違いのようで、結局Crio一人になった。
さて……しょーがない、一人で淋しく続きをやるか……と思っていると、なんとMが戻ってきたのだ。
(こういう時って、英語でなんて言えばいいんだろう?)
と思っていると、Mは再びアイテムショップの前でさっきと同じように
「弓はいるか?」
と聞いてきたのだ。
すると、突然Mはタイムアウトでゲームから落ちていってしまった。あとには、たった今買ったばかりの弓がアイテムショップの前に落ちていた。
しばらく待っていたけど、もうMは戻ってこなかった。
PUBで出会った人には二度と会えないものだ。最初に買ってもらった bow of the moon はずっと持っていようと思った。もちろん今でも持ってます。
4人の戦士
ディアブロは同時に4人まで参加できるゲームである。
もっとも効率のよいパーティは、魔法使い1+戦士3の構成だと思う。レベルの高い魔法使いが石化魔法で片っ端からモンスターを固めてしまい、その隙に戦士がそれをつぶして回る。こうすると戦士はほとんど無傷で、経験値もアイテムも手に入れられる。しかも速い。この最速パターンでは魔法使いは経験値が得られないが、レベルがあがってしまった魔法使いは単独でもダンジョンを楽々制覇できてしまうので、レベルの低いプレイヤーのサポートを楽しみとしている人はけっこう多いのである。
一番苦労するのは、レベルの足らない戦士4人パーティである。モンスターが多勢に無勢となった時、どうしようもなくなる。
Jinがまだ10代だったころ、パブリックゲームでたまたま出会った同じくらいのレベルの戦士4人で潜った時のことだ。
4人で不安だと言いながらも、死んだり生き返ったりを繰りかえしながら、4人で協力していい感じに進んでいた。4人のポジション取りが絶妙だった。例えばまず1人が次のフロアに入る、モンスターを連れて戻ってくる、出入り口で待ち受けてモンスターを囲んでフクロにする。まず1人がドアのところで一人で戦う、HPが削られてやばくなったら交代する、これを4人でローテーションする。打ちあわせたわけでもないのに、けっこう息の合ったプレイができた。
夜中になって一人が帰っていった。だいぶレベルが上がったので、あとは3人でも大丈夫…とさらに進んだとたん、ゲロ犬の群れに遭遇してしまった。一人がまず死亡。Jinともう一人がかろうじて隣に退避できた。
ゲロ犬の群れに置き去りにされた仲間を助けなければ……
Jinは魔法ポイントを優先的にレベル上げをしてたので、肉弾戦には弱かったが、同じレベルの戦士よりは魔法が使えた。だがライトニングでゲロ犬に立ち向かうも、狙って撃てる状況ではない。手持ちのマナを使いきっても、一匹も倒せない(^_^;)
「がんばれ、Jin」
死体となった仲間の声援を受けてマナを調達に行こうとしたとき、その時、4人目のプレイヤーがゲームに入ってきた。3人は叫んでいた。
「君、魔法使い?」
「そうですが……」
やったーらっきー。
「すぐ来てくれ~。ゲロ犬だ。一人死んでる」
「わかりました。レス買っていきますね」
魔法使いはあっという間に犬を片づけてしまった。
救援要請
その時Jinは、レベルはまだ20代だったと思う。
パブをのぞいてみると、日本人らしい名前の人のゲームがあった。時間をみるとまだ始めたばかりのようだった。よし、入ってみよう。
ゲームに入ってみると、彼一人しかいなかった。
「こんばんわ」
話しかけたとたん、彼の断末魔の叫びが……。
「え?」
「すいません。日本人?」と彼は聞いてきた。
「そうだけど、どうしたの?」
「死んだ」
「どこですか?」
「ヘルです」
「………ヘル…」
実はこのゲームレベルはナイトメアだった。弱弱戦士のJinは一人ではまだとても一人でヘルは歩けなかった。
「わかりました。今行きます。ちょっと待っててください」
ナイトメアかあ。こりゃ、死んじゃうかも…
しかしJinは「嫌です」とか「帰ります」とはとても言えなかった。だって僕は風間仁だよ。
特攻隊のような気分でポーションなどを満タンにして準備していると、そこへ魔法使いが入ってきて、なんかJinは死なずにすんだ(笑)
「いやー、あとから来た人が日本人でよかったよ」
「本当は僕は死ぬ覚悟で助けにいくところだったんですよ」
なんて会話をして、三人で遊びました。
でも、救援要請で怖い思いをしたこともある。
例によってゲームに入ってみたら、「help me」というメッセージが。慣れない英語で
「何かあったのですか?」と聞くと、
「モンスターに殺された。来てくれ」という。
「場所はどこですか?」もしヘルだったら帰ろう…と思っていると
「9Fだ。階段を下りた近くだ」
それで、救出準備をして降りていくと、死体が見当たらない。しびれをきらせてタウンに移動したんだろうか? でも装備が落ちてないぞ???
と思っていると、いきなりブラインドからドカン。ファイヤーボールが直撃!
「くそっ。PKかっ」
しかし生憎、このとき潜っていたのはJinではなくて、ハックアイテム専門のKazuyaだった(^_^;) 装備のおかげでソーサラーのファイヤーボール直撃でも即死しなかった。ポーションを手早く補充して、タウンポータルで脱出。
「おまえはチートか?」
仕留めそこなって、PKが言った。
チートツール使ってるならわかるだろ?ボケ。と答えたかったが、英語でなんて言っていいのかわからないので、「俺は空手のチャンピオンだ」などと答えた。ぷっ。
救助に出向くときは、要注意。自分も死ぬ覚悟で、というお話。