明治座 十一月花形歌舞伎

市川猿之助奮闘連続公演
明治座 十一月花形歌舞伎
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 行って来た!
 金を使ったら負け、と思っていたのに気分的に舞い上がって、おみやげにお菓子と舞台写真とか買っちゃった(^_^;)
 先月に引き続き、今月も猿之助様。舞台は明治座。昼夜通しで。

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(昼の部)
新歌舞伎十八番の内 高時(たかとき)
夏姿女團七(なつすがたおんなだんしち)

(夜の部)
三代猿之助四十八撰の内
通し狂言 四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)

(感想文)
新歌舞伎十八番の内
高時(たかとき)
 お話。北条高時は愛犬を死なせた侍を死罪しようとしたが、家臣らに諌められて撤回する。突然の雷雨に宴は中断、そこへ現われた天狗の群れを高時は猿楽の楽師たちと思い込み、天狗に混ざって踊りだす…
 出演は市川右近。私はタイトルも内容も初めて見る演目。
 新歌舞伎というのは、明治以降〜戦前当時の新作もので、江戸期の芝居よりも、心理とか情景とかの描写がちょっとアートよりな印象がある。高時の日常を切り取ったような短い舞台で、作家が表現しようとしたのは何なのか? 私にははっきりとはわからなかったのだけれど、しかしいろいろに読めて、そこは面白いかもしれない。
 北条高時は、鎌倉幕府最後の執権。NHK大河ドラマの「太平記」では片岡鶴太郎がやった役だ。ドラマにも犬が出てきたのは覚えているが、高時はクレイジーな暗君に描かれていたように記憶している。執権体制を維持できなかったのだから、それは無能といえば無能なのだろうけど、実際のところは高時だけのせいとまではいえないかもしれない。
 この舞台に登場する高時は、愛犬殺したから死罪だとか主張するあたりでまずはバカ殿である。しかし家臣に諌められて撤回するのだから、絶望的なバカでもなく、また先祖への篤い尊敬や供養の心もあり、北条としてのプライドは感じさせる。それが、田楽芸人と思い込んで招き入れたカラス天狗どもと大騒ぎに。
 天狗の踊りがけっこうハードでなかなか見ごたえがある。そして屋敷に灯が戻り、天狗は去り、高時は天狗に弄ばれたのを悔しがって終るのだが、それがこっけいで面白かと言われたら、そこは微妙に複雑。この人はまもなく北条氏をつぶしてしまうのだ。栄華も風流もみな天狗踊りと一緒に一瞬に消え去る、ということを暗示しているのだろう。
 勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。と、私は感じたのだけど、それが正解なのかはわからない。
 

夏姿女團七(なつすがたおんなだんしち)
 鶴屋南北作。元ネタは「夏祭浪花鏡」で、登場人物を女性に書き換えた、いわゆる二次創作的な。今日の萌え系でよくある登場人物が全員女の子的作品は、実は歌舞伎が御本家。女だてらに刀を振り回すとか、男勝りのかっこよさとか、日本人の考えることなんざ、何百年も前からおんなじさあ(^_^;) 
 この演目は、女形が主役なせいか、上演機会が少なかったらしい。三代目猿之助もこれはやってないはず。昨年、四代目はこれを竹三郎の回で上演し、このほど明治座の興行にかけた。
 10月11月の連続公演は、四代目猿之助の女形をがっつり見られる演目が中心のような気がする。特に女団七は、宙乗りも早変わりもない、女形の芝居だから、四代目猿之助らしさを見る芝居、だという気がするんだよね。
 モトネタの団七のあのシーンが女団七では…という楽しみはもちろんだけど、団七を知らなくても面白い。芸者友達?(春猿)とのチャンバラの場面とか、お客さんウケてたわ。
 そしていよいよクライマックスが、雨が降りしきる建築現場のようなところで(本当に舞台に水が降ってる)の立ち回り。女同士の殺し合いのシーン。水が客席まで飛んでくると言われていたけど、どうやって飛んでくるの?って思っていたら、解けた帯や着物の袖をふりまわすので、けっこう遠くまで飛ぶ(^_^;) そして泥になってとどめをさした後、後始末と身繕いで、桶の水を肩から浴びて着物の汚れを落とす。ばしゃーっと。夏の上演ならともかく、もう11月ですよ。思わず息を飲んでしまう。そして祭神輿が舞台を横切って去ったあと、花道で髪を直して(`・ω・´)キリッ
 短いけど緊張感のあるお芝居で、見に来て良かった。他にやる人がいなさそうで、ちょっと貴重なものを見た気がする。竹三郎の悪婆役もすごかったなあ。
 次やるときは、昼の部で夏祭をやって、夜の部で女団七をやるといいと思うんだよね。
 
三代猿之助四十八撰の内
通し狂言 四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)
 この演目を三代目が復活狂言として上演したときは、昼夜通しの長いお話だったらしい。元々そういう演目なのか? その後上演の機会がなかったものを、今回は場面をチョイスしてまとめたものらしいです。
 お話。辰夜叉御前が土蜘蛛と合体して復活!妖術を駆使して、弟・源高明とともに国をのっとる野望。
 …というわけで、それを阻止すべく戦う頼光四天王。そうだったんだ、タイトルの四天王って頼光の四天王だったんだ?……あれ?頼光っていつ時代の人?頼光、純友、高明って同時代の人? うちに帰ってきてからググリました。
藤原純友(893? -941)
源高明(924-983)
源頼光(948-1021) 
 おお。絶妙にに重なっているではないか。源高明は光源氏のモデルと言われている人物で、藤原道長より前の時代に朝廷で力を持っていて、失脚して晩年を終えた人物らしい。このお芝居では高明の姉が辰夜叉御前(純友の奥さん)という設定になっている。純友没後、という話になるのかな。
 この四天王がなぜかそろって出てこない。ばらばらに活躍しての見せ場。戦隊ものじゃない(^_^;) どうなってるんだ?このお話???
 感想。いろいろ詰め込んでいるお話なので、もう一回見ないと何がなんだかよく消化できてない気がするんだけど、間違っていることや記憶違いもあるかもしれない。思いつくことをいろいろメモっておく。
・市川團子が、小学生のくせに小学生のくせに、なんかかっこよかった。鬼童丸(実は四天王の誰かの弟みたいな設定だったかな???)という役で、立ち回りやって、六法でひっこむ。小学生のくせに小学生のくせに、かっこよかったのだ。写真も買っちゃったぜ。お客に拍手もらって六法で引っ込むとか超楽しかっただろう。もう歌舞伎役者になるしかないな(^_^;)
・高明役・坂東亀三郎が超低音美声でかっこよかった。よく考えたら、おもだか屋のメインの役者はなぜかみんな高音ボイスばかりということに気が付いた。亀三郎が最後の幕で出てくるときは、悪役隈取りじゃなくて、肌色の顔になってて、あれ?あれれ?どうなってるの?別役???と思ったら、やっぱり高明とか(^_^;)え〜?
・歌舞伎あるあるな展開。歌舞伎で首実検が出てきたら、その首はニセ首なのがお約束。暫や土蜘蛛、狐など、歌舞伎の名場面がいっぱい詰め込まれている。一番うけたのは、暫かな。右近の暫のあと、最後に辰夜叉御前まで「しばらく〜」で出てくるところ。ここは意外で、お客さんも受けていた。
・猿之助のやった役では、やっぱり辰夜叉御前がインパクト大で印象的。妖怪の役のわりには、なんかきれいだったし。平井某の切腹の話は、それの前の男夜鷹の話がぶっとびすぎて、続けてみるとなんか微妙に悲しくない(^_^;) しかも命をはって差しだした首も偽物とかすぐばれているし(^_^;) いろいろつっこみどころがはあるけど、深く考えているひまがないお芝居だった(^_^;)
 三代目の作ったお芝居は、まず料理の皿数が多く、その上これでもかこれでもかとてんこ盛りで、もういいです、これ以上食べられません、えええええもっと食べろってかあ???みたいな爆盛り大サービスが信条だったのだろう、と二ヶ月連続公演を見て思う。
 ところで、この四天王〜は復活狂言だそうだけど、復活ってどこまで元の台本が現存しているのだろう。原作に相当する本があるのかな?台本がある?浮世絵があるのかな?復活にあたって補完した部分もあるんだよね? いろいろと興味はつきないが、調べるのも面倒なのでもういいや。おなかいっぱいです。お金もいっぱい使ったし、しばらく家でおとなしくしています(^_^;) 次は来年?

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