日出処の天子(完全版)第4巻

日出処の天子 〈完全版〉/第4巻(全7巻) (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)日出処の天子 〈完全版〉/第4巻(全7巻) (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)
(2012/02/23)
山岸凉子

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 そもそも私がなんで今ごろになって「ずる天」語りをしているかというと、コミックスにコニタンの声がついて読める作品、を探索しているのである。
 昔、この作品が連載しているとき誰の声がついて読んでいたか、全然覚えていない。多分そのころは好きな声優をおっかけるようなこだわりはなく、アニメといえばどっちかというと作画の方が気になった。だから、ずる天アニメの企画がボツになったと聞いたときは残念なような、しかし顔の崩れた王子や毛人を見ないですんでほっとしたり、複雑な気持ちがしたものだった(^_^;)
 コニタンファンになってから、この作品を今読み返したらこのキャラはコニタンボイスで読めるな、とか思ったりするけど、実際に読んでみると違うキャラがコニタンボイスで聞こえたり、とか。コニタンファン的にはいろいろ発見があるわけです。

 第4巻のお話。布都姫と厩戸王子の雨ごい対決。布都姫に対して、毛人の思いはつのるばかり。その布都姫の処遇をめぐって、毛人は厩戸と対立する。

 この巻くらいまでになると、どこまでが史実なのか全然わからない(^_^;)けど、そんなことはどうでもいいくらいの緊迫感。毛人のまわりの女キャラのさまざまな人生模様が展開する。

印象に残っているシーン抜き書き
厩戸「あんな女のどこが……!」

 布都姫は、多分女性読者にとっては嫌いなキャラナンバーワンだろう。
 連載当時の私は若かったので、作者のシナリオ通りに毎月厩戸になりきって読んでいたので、そういう意味で布都姫死ね的な感想を持つのは当然である。厩戸が大嫌いなキャラは、読者である私も大嫌い! なぜ毛人は自分をもっとわかってくれないのか、と必死だった。
 歳をとった今読み返して、一番印象が違うのが毛人で、正直こんな男のどこがよかったんだろう(^_^;)とか思っていたりします。布都姫シネは全然変わりませんけど(^_^;)

 布都姫についてですが、厩戸のライバル?だから嫌い、という以前に、女にとって何かダメ、一番嫌いなタイプの女キャラなのだ、というのは今読むとわかる。北斗の拳のユリアが嫌いなのと、ちょっと似ているかもしれない。
 美人でやさしくて心が清らかで、男だったら嫌いになるはずがない。特に欠点がない、むしろオール5。これの前の巻で額田部(推古天皇)が厩戸の母に対してねたましいものを感じていた…とか自分語りしている箇所があったでしょ。あれです。
 こういう美女にたいして、生理的に嫌悪感を抱くのは何故なのか。
 自分がブスで勝てないからじゃね?という分析はとりあえず間違っていないかもね(^_^;) 世の中の全女性で生まれながらの美女といえるのは、多分1割もいない。ほとんどのおなごは持って生まれた容姿や才能よりも、「努力」とか「心がけ」とかの後天的に会得できるものに力を注いでいるのだ。美しくて心が清らかだけで生きて行けるなんて、そんな女いるわけないじゃない(^_^;)
 でも男はバカだから、とりあえず若くて美しくてやさしいだけで、それだけで、のぼせあがってしまうのよ。それが額田部女王様もおっしゃっていた「反発」とか「嫉ましかった」なのである。

大姫「ブスっとしているのは王子も同じではありませんか。わたくし望んで席にはべっているわけではありません」

 連載当時は、私は厩戸になりきっていたので、額田部女王の娘である大姫はまったく視野に入ってこないモブキャラ(^_^;)だった。母上ほどの傑物でもなく、どこがどうと印象に残るほどの美女でもブスでも女傑でもない。←多分厩戸王子もそんな風に見ていたはず。「好き」の反対は「無関心」なのである。こういう女性キャラは厩戸にとっては益にも害にもならないので、読者の反感を買う事はない。
 今読み返すと、つんでれ(^_^;) わかりやすくてかわいい奴、と思う。気位が高い?ので、自分から王子に媚びるようなことは絶対にしない、いやできない。そのくせ王子がやってくるとなると、文句をいいながらいろいろと支度をしたり、帰ったあとは↑こんなかんじ。
 この女性キャラは、厩戸を外側から見る女性視点に戻してそれを代弁しているように思う。厩戸に積極的にかかわっていけなくて、ただ側から見てるだけ。マンガを読むだけの立場の読者としては、大姫の立ち位置が一番シンパシーを感じるところではないか。
 
河上娘「語尾が震えておいでだわ。お姉さま」
 刀自古の秘密。私はこのエピソードで一番印象に残っているのは、何故かこのセリフ。
 連載時、読者である私は、刀自古の衝撃の過去話に動転したり同情したり、こんな意地悪をいう河上はなんてムカツク女だろう、と思った。今はちょっと印象が違う。
 みんな忘れているかもしれないけど、子供の頃、本家である馬子の屋敷の集まりで、河上は刀自古にいじめられていた。いじめというほどのものではないかもしれないけど、刀自古は自分の縄張りを荒らす女として邪険にしていた。一緒に仲良くおままごとをした仲ではない。
 じゃあ、しょうがないじゃん(^_^;) 今ごろ仕返し?にくる河上も大人げないけど。
 このあと河上は泣きながら後宮に帰ったのだろうか?それとも何食わぬ顔で?
 
淡水「ただ、あのストイックな毛人どのらしくもない大胆な事をすると、驚いたな」
 淡水は王子の実行部隊。調子麻呂と違うのは、どんな汚い仕事でもやるところ。王子の考えていることに一番近い立場にあるが、霊感はないので、王子の超能力には加勢はできない。RPG風にいえば、属性なし。物理攻撃専門。
 このころは、時々俗っぽいことを言うよなあと思って読んでいた。

厩戸「あのバカが…」
厩戸「バカ! 毛人、おまえのせいだ!」

 そうだ。バカだ。王子をこんな窮地に陥らせる毛人が憎い……あ、これは額田部女王も同じようなことを言っていたですね。王子に真っ向反論しておきながら、ほっておいてほしかった、布都姫と自滅しても本望とかあなたまで巻き添えにしたくなかったとか、何を言ってるんだこいつわ(-_-;)
 ……と連載当時も思いましたが、やっぱり毛人は昔読んだときと印象違ってるかな。いや、私が歳をとって昔とは違うことを考えるようになったのかもしれない。
 連載を読んだ時、毛人のバカ、とか怒って読んでいたけど、憎いとまでは思わなかったかも。状況がさしせまっているということもあるけど、厩戸は毛人をそれでも好きなので、バカとはいっても、死ねと思うほど憎んでいるわけではない。毛人野気持ちを自分に向けるために、布都姫つぶしに必死なのだ。だから毛人のことを嫌いになったわけじゃない。
 だけど今の私は、「こんな男のどこが良かったのかしら」とかちらっと思っている(^_^;) 王子が好きに思っているから、私も毛人のことが好き、というのはもちろんあります。厩戸になりきって読んでいるんだから。だから当時は何の疑問も抱かず、こういう毛人が好きだったのだと思う。運命の赤い糸で結ばれているのは毛人だけだ、だから私と珠玉エンドを迎えるはずだ、と信じていた。ああ、そういうことなのか、じゃあ厩戸もそう思っていたのかな。

毛人「わたしには見える。堂の中で王子がめかくしをおとりになった…」
↑雨ごいの儀式が始まった途端、王子とリンクする毛人
毛人「布都姫をわたしにいただけるのでしょうか」
↑バカ。・゚・(ノД`)
 連載を読んていたとき、雨ごいの六角堂に毛人が入ってきて、厩戸の手をとるとスパークして、大気が動く、というあのシーンがとても感動した。お話のスケール感ももちろんだが、毛人が自分のところへ帰ってきたと思ったからだ。
 でも肉体から離脱した毛人の魂と、人間の器に納まっている自意識のある毛人は、なぜか別の人だ。この状況で結局自分の女のことしか考えてない毛人って……
 やっぱり男はバカなのか。(5巻につづく)

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