スーパー歌舞伎II「空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―」

スーパー歌舞伎II(セカンド)「空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―」
6/21(金)於新橋演舞場

1403260.jpg 行って参りました!猿之助様の新作舞台です。
 感想。誤解を恐れずいえば、コミックやアニメ原作を歌舞伎にしたらこんな感じなのかな、というのが第一次感想。←誉め言葉。そしてなんといっても後半の盛り上がりがすごかった(〃▽〃) 宙乗りが山場じゃないのね、さらに続きがあるのね。
 まっさらの新作ということで、内容がまったく予想がつかなかった。だから期待値0+先入観0で見た。面白かったか?面白くなかったか?と聞かれたら、間違いなく「面白かった」。
 でも、これって歌舞伎なのか? いや、歌舞伎なのか。歌舞伎って元々何でもありの世界だし。
 微妙なところといえば、私はすでに人生も後半なので、猿之助演じる主人公仏師に我が身を置き換えて共感するような見方はできない。そのくらいに主人公が青臭い。しかしアニメとかコミックの主人公だったら、これはいたって標準的な主人公だ。少年ジャンプの主人公は必ず18歳未満なのだ。だから若い観客を意識して書かれた舞台なんだろうな。
 でも歌舞伎ってやっぱりチケット代が一番のハードルだと思う。私は猿之助様の芝居が観たいから出しちゃうけど(^_^;)

・主人公はそこらへんの普通の人。従来の歌舞伎ではたいてい歴史上の人物だった。
・やっぱあたしはりこれからも猿之助についていくよ(〃▽〃)
 完全ネタバレ感想なので、これから見る予定で、お話とか演出を知りたくない人は、ここで回れ右。





主人公はそこらへんの普通の人
 この舞台の公演情報がお披露目されてから「あれ?」と思ったのですが、歴史ものじゃない?
 そこでちょっと思ったのですが、歌舞伎ではたいてい歴史上の人物が主人公だった気がする。いや、町人が主人公の芝居だってあるけど、それだって何かモデルに相当する実在の人物とか事件を背景に描かれていることが多いのではないか。ちゃんと調べもしないで憶測でいってしまったけど、自分が思いだせる芝居はたいてい歴史上を含めて実在する人物だったと思う。今までなんとも思ってなかったけど、もしかしてそれが歌舞伎ルールなのか? 歌舞伎の成立は江戸時代だから、お上にいちゃもんつけられるような題材は芝居にできなかったとか、そういうことなのかな。歴史的な事実にはお上も文句はつけられない。だから仇討ち話はみんな曽我兄弟だったりとか(^_^;)
 改めて先代猿之助の本家スーパー歌舞伎を思いだすに、ヤマトタケル、オグリ判官、カグヤも八犬伝も三国志も、実在する古典を元にした作品である。いうなれば、誰もが知っているお話、ということで観客が舞台を見る前から内容に予測がつくのと、世界観を理解する助けにもなっていたわけだ。
 今回、四代目猿之助のは「スーパー歌舞伎セカンド」。違う方向性を考えているんだろうな。
 私、思うんですが、主人公が男になったり女になったりするような、そういうお話が四代目にはいいと思うんだよね。三代目にはなかったものって、それだよね。猿之助を男役とすると、つりあいのよい娘役が思いつかなくってさ。男女の恋愛ものよりは、友情努力勝利的なのが見たいわね。

空を刻む者おはなし的感想

 いいお話だったと思う。「信仰と現実」という難しいテーマのわりには、すっきりとわかりやすく、余計な脇道のないお話だった。適度に中二くさく、歌舞伎らしく荒唐無稽で、しかし信仰心は否定するわけではない、いろいろな意味でバランスのとれててよかった。後味の悪さもないし。
 一番印象に残ったのは、ご開帳で切りくずが飛ぶところ。意外な落とし所で、ああっ!と驚かされると同時に、切りくずに見立てた紙片が劇場の客席いっぱいに舞い上がるのである。この場面にはちょっと感じ入ってしまった。これはうまい演出だった。なにしろ二階まで飛んでくるのだ。いや飛ばすのである。
 私は、二階席正面だったのですが、ここまで大鋸屑が飛んでくるとは思わなかった。客席に宙高く舞うだけだと思っていたら、二階席まで届くのだ。三階席はどうだったんだろう?
 これはなかなか考えられた演出だ。なぜなら、ここは主人公が仏のなんたるかを表明する一番大事なシーンだと思う。ここで、具体的な物(紙片)を手にすることで、お客も舞台とつなることができるのだ。今まで舞台の上でだけ進行していたお話が、物を介在することで実感として受け止めることができる。
 私は昨年のこんぴら歌舞伎で、客席に雪を降らせる演出を見た。それは美しかったけど、お客さんも感動していたけど、雪が降ったのは一階席だけだったのね。私は二階席からそれを見ていて、お話からふっと現実に戻って「うらやましい…」という気持ちで眺めてた。美しい演出だけど、その恩恵が受けられない席の人にはうらやましいだけなのね(^_^;)
 だけど舞台から客席中に大鋸屑を飛ばす演出は、安い席で舞台が遠いお客さんも、舞台やお話世界に入って盛り上れたんじゃないかな。
 あと、印象的だったのは右近さんの工房の、でっかい金剛力士の舞台美術。
 最後の立ち回り(アクションシーン)はお話的にはオマケ。だけどこれやってすっきり終るところがいいのね。歌舞伎なはこうでなくちゃね。

 ところで、猿之助様とおもだか一門の歌舞伎座興行はまだですか?松竹どの。
 なんでこんなに待たされなければならないんでしょう。お客が銭つかんで待ってるっていうのに。あたしが何したっていうんですか。もう待ちくたびれてしまいましたよ。
 とりあえず次は猿之助様の巡業公演。6月です。

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