シネマ歌舞伎「人情噺 文七元結」

 5月のシネマ歌舞伎は「人情噺文七元結」。もう上映終りだけど。
 今月も勘三郎。来月も勘三郎です。勘三郎ばかりなんでこんなに映像残しているんだろう? あと出演が多いのは玉三郎。出演者の偏りはどういう事情がわからないけど、シネマ歌舞伎第一回が勘三郎だから、最初から勘三郎の協力ありきで始まった企画だったのかもしれない。今にして思えば、こんなに早く亡くなるとは思わなかったから、いい時期の舞台を多数映像に残せて良かったなと思う。

 「文七元結」は、原作は有名な落語。歌舞伎には他にも落語原作のものがある。落語原作の歌舞伎は「お後がよろしいようで」と、後味のよい結末の作品が多いように思う。
 私はこのお題は実は落語よりも歌舞伎で見たのが先だった。時期的にお正月向き題材なので、正月の歌舞伎中継なんかで見る機会がけっこうあったりするかも。いろんな役者さんで何度か見てます。TVで。

 お話。左官職人の長兵衛はの酒と博打で借金まみれ。娘のお久は思い余って、吉原で自分の身の代で50両を作って父の借金返済にあてようとする。改心した長兵衞は、しかしその金を持って戻る途中、身投げしようとする手代の文七で出くわし、文七に50両をやってしまう…
 ………という超展開。しかし登場人物は皆善人ばかりで、最後はめでたしめでたしで終る、日本人好みのお話。原作は三遊亭円朝で、明治時代にできた歌舞伎?

 「文七元結」で気になること。物語は江戸の長屋が舞台で、時代劇ゆえの謎がある。
・お久の身の代で作った50両は今でいうといくら?
・お店の手代って、どんな職業の人?




50両ていくらだろう?
 このお話のちょっと気になるつっこみどころは、50両という金額だ。
 両は江戸時代の貨幣の単位。ただ江戸時代も時代によって物価や貨幣価値が変わっているので、単純に1両いくらと計れないものがあるのだそうだ。また物の値段も、食品や工業製品にいくらかかるかという感覚も多分現代とは違うと思う。
 このお話の中で、50両を(多分無利子で)長兵衛は借りて、これを来年の大晦日までに返せと言われているので、左官の職人が1年で稼ぐくらいの金額、ということになる。江戸時代は、職人は人気の職種だったらしいですが、それは現代に置き換えるとどんな感じなのだろうか? 劇中、長兵衞は親方と呼ばれているので、お話には出てこないけどちゃんと働いていれば若いもんが大勢いて、大きな工事を請け負うような左官職人なのかもしれない。

手代
 手代、が出てきたらそれはだいたい20代の若い男なんですね。曾根崎心中も確か男は手代だった。ベテラン俳優がやってたりすると見た目で混乱するかもしれないけど(^_^;)、手代は屋内業務という環境の良い職場で働いていて、将来を嘱望されている立場、着物も髪もちゃんとしてて、お金もちょっとなら持ってる若い男、を意味する記号なのだ。だから白塗りで痩せていて、ちょっとなよっとしている。
 シネマ歌舞伎では現勘九郎がやっていて、ちょっとガタイ良過ぎる〜そんな小さな石ちょっと袂に入れたくらいじゃあ水に沈まねえ(^_^;)とか思ったけど、店の主人が彌十郎だったので、並ぶと別に変でもなかった。
 お久役は中村芝のぶで、ああ時々見かける名前〜誰だっけ〜。と検索したところ、研修所出身の歌舞伎俳優なんですね。成駒屋。すごく印象に残った。

 「文七元結」は落語が原作なくらいだから、古典芸能とはいっても言葉遣いも古めかしくないので、分かりやすく、気分のよい幕切れのお芝居だ。歌舞伎はお芸術だと思って身構えていると、けっこうそうでもなかったりする。
 ようつべに志ん朝の「文七元結」があがってる。一時間以上あるけど、面白いから最後まで一気に見てしまいます。落語もなかなかすごいのだ。

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