明治座「十一月花形歌舞伎」

昼の部「傾城反魂香」「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」
夜の部「天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)」
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 日曜日、明治座へ行って参りました。私は初めてこの劇場に行きましたが、うちの最寄り駅からだと乗り換え無しで行けちゃうんですね。昼夜通しで見たので、寝不足な私は体力的にちょっとしんどかったですが、やっぱり楽しかった。歌舞伎は、遊園地であり映画館でありヒーローショーなんですね。

長文なのでこちら


傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
 これは猿之助ではなくて、市川右近主演。他の役者や劇場でもわりと頻繁にかかる演目で、私もTVで何度か見てます。劇場で初めて見たのは先代猿之助で、その時は女房役は勘三郎でした。右近のを見るのは二度目で、女房役が今回は笑也です。
  まず演目の説明。元は近松門左衛門の人形浄瑠璃で、もっと長いお話で、花魁と絵師の恋愛もの?が本筋らしいです。現在頻繁に上演されるのは「どもまた」と呼ばれる場面だけで、だめ亭主と世話女房の人情話みたいな舞台です。おもだかで上演するのは三代猿之助が構成し直したもので、どもまたを含む三場構成。虎が襖絵から抜け出して暴れたり、お姫さまが逃げ回ったりする流れがあります。
 前に見たときも思ったんですが、主人公の又平はどもりで性格もなんかアレだし、こんな男とどうして結婚してるのかしら。前に見たのとは、女房おとくが違う。笑也の声の印象のせいなの か、なんかかわいい奥さんなのだ。最後、又平が土佐の苗字を許されて舞のシーン。おとくは、いきなり鼓を貸してもらって舞に合わせて打つ。人前で楽器が演奏できるって、実は良いおうちの出?
 というわけで絵師について検索。狩野派と土佐派は御用絵師なので(お殿様御用達の絵師)、身分的には武士と変わらず(御殿に上がったりお殿様に謁見するから)、帯刀も許されていたそうです。又平は土佐派で修業していたわけなので、今風に言うと芸大出て高名な日本画家の大家に師事して、いずれは日展とか二科展に…みたいな人だから、おとくはそんな又平の才能に惚れてる幼なじみのお嬢様みたいな……そういう脳内設定を考えた(^_^;) とりあえず絵の才能に惚れてないと、絵師の女房などつとまりませんわね。
 でも私は「どもまた」は好きな演目というほどではないから、休憩時間の昼食の後はちょっと眠かったり……しかし右近が踊りだしたらなんだか目が覚めたわ。
 もうひとつこの舞台での見所は、虎の着ぐるみのがんばり。転倒したりしないかと、もう見てて心配で心配で…

蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
 舞踊劇は眠いからおすすめいたしかねる……と思っていたけど大間違い。これは超がつくおもしろさ! 亀治郎時代から何度か上演しているもので、私も衛星劇場の放送で見て、劇場で見たいと切に思っていた。ようやく見ることができた。
 元は能「土蜘蛛」を元にした江戸時代中期の作の変化舞踊で、つまり一人の踊り手が扮装を変えながら何役も踊り分ける演目。昔からある作品なのですが、それを猿之助は特撮映画のような仕掛けいっぱいの演出で披露します。
 この演目は三代目猿之助もやっているそうですが、それとは早変わりの人物キャラが違うらしいです。つまりこれは亀治郎版てこと?
 お話は、寝ずの番をしている碓井貞光と坂田金時の前に、あっちからこっちから姿を変えて次々現れる猿之助。実は頼光を狙っている蜘蛛の精。女の子になったり、おっさんになったり、芸者になったり。出てくる度に貞光と金時と舞い、正体に気付かれると糸を投げてさっと姿を消す。まるでイリュージョン。TVで見て内容知っていてもやっぱり面白い。最後はクモの糸ばんばん投げまくってフィナーレ。華やかでにぎやかで、楽しかったです。
 前にTVで放送したのは、亀治郎時代の博多座の上演だったのですが、その時とはもちろん四天王の配役などが違う。だけど金時は今回も亀鶴だった。今回、舞台写真、初めて亀鶴さんの買いました。かっこいいですねえ亀鶴さん。役者絵のような金時で素敵。
 
天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)
 江戸時代後期の鶴屋南北作「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」+「彩入御伽草(いろえいりおとぎぞうし)」をつなぎ合わせた内容で、三代目猿之助が復活通し狂言として1982年に初演したもの、だそうです。主演の猿之助は、徳兵衛、小平次、その女房おとわ、の三役。早変わりあり、つづら抜け宙乗りあり、ガマの着ぐるみアクション(^_^;)などなど猿之助歌舞伎らしい見せ場がいっぱいある。
 特に印象の残ったのは、小平次とおとわ両人を早変わりで演じるところ。ここはすごい。猿之助が幽霊になってとんでる〜室内へどぼーんと思ったら、あっという間にカヤから出てきた女房おとわの猿之助。ものすごい高速チェンジで、客席からも思わず「え?」とか「あ?」とか声が出てしまうほど。同じ舞台の上で、おとわになったり小平次になったりしながらストーリーが進行する、すごい展開だった。
 この亭主を殺してしまうような悪女おとわ役が、なんかすごく良かったです。冷血な悪女なのだけど、男が執着するようないい女ぶりが同居してて、そこが説得力のある悪女なのね。私は先の猿之助の「徳兵衛」は見てないけど、多分一番印象が違うのは女房おとわだろうと思う。おもだかの座長になって、女形を演じる機会が減ってしまうのではないか、とかファンはみんな心配していると思うのです。猿之助の女形は捨てがたいです。

 歌舞伎と言えば猿之助ばかり見てるような気がするけど、実際予算は有限であり、優先順位というものがあるから仕方ないよね。次にまた猿之助様を見られるのはいつになるのであろうか。
 

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