シネマ歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」

http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/news/121001.html
今まで上映したシネマ歌舞伎のアンコール上映があるそうです。見損ねたやつを見られるといいなあ。


http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/20/
籠釣瓶花街酔醒(かごつるべ さとのえいざめ)
 お話。田舎者であばた顔の次郎左衛門は、吉原のトップ花魁・八ッ橋に一目惚れ。通い倒していよいよ身請け話がまとまる頃、いきなりふられてしまう。がっくりして国に帰った次郎左衛門は…

 うんちく。吉原を題材にしているので華やかな舞台で、見た目すごく歌舞伎っぽーい演目だ。江戸の世話物だと思っていたら、調べてみたら、明治時代の作品なのだそうだ。なるほど。しゃべってるセリフとかわかりやすいです。私はこの演目は大昔テレビで見たことがって、でもその時は歌舞伎については全然知らなかったから誰が出ていたか全然覚えていません。やっぱり玉三郎だったのかな。
 お話の内容は簡単。でも登場人物が多く、次郎左衛門の使用人や仕事仲間、揚屋の人々とか八ッ橋以外の花魁とか、脇役それぞれに精緻な描写があって、簡単なお話のわりには見るところがいっぱいあるんですね。
 籠釣瓶というのは刀の名前らしいです。物の名前がタイトルなのは、元々の形は次郎左衛門の親の代からの因縁話で長い作品だったそうで、今は八ッ橋の出てくるところだけのコンパクト上演なのだそうです。
 
 お話についてだけど…

(↓ねたばれ感想)
 お話についてだけど、簡単すぎていろいろ疑問がある。
 主人公の次郎左衛門は、佐野ってことは栃木県あたりなのでしょうか。花魁に入れ揚げて身代潰す話は時々あるですが、次郎左衛門はそんなの全然平気、ということはみかけによらず佐野の超良いおうちの人なんだろうね。田舎者→貧乏人?みたいなイメージは偏見で、地方の豪農になると本当に下手なお殿様なんかふっとぶくらいすごかったらしいです。商売で成功しているだけあって、できた人に描かれている。花魁にふられた後も、怒ったりキレたりしないで、店の人に気を使っている。
 これが4ヶ月後、江戸に戻ってきていきなり壊れているのはなぜなのか? 4ヶ月何をしていたのか? 刀持ち込んだってことは計画的犯行だよね? 鷹揚なふりをして上がり込んで、最初から殺すつもりだったんだよね。花魁にふられたあと、国に用事もあるから帰るといっていた。4ヶ月間仕事してて、江戸に出張するついでに殺しに来た? まあ壊れちゃってる人の考えることだからそこは謎だ。
 八ッ橋はどういう心づもりだったのだろう。なんかテキトーな人だ。次郎左衛門を嫌ってる様子もなく、しかもつきあってる浪人侍には身請けの件は黙っていたわけで、このまま身請けされるつもりだったんだよね。それが男にバレて、次郎左衛門をふって来いと強要されて、それを断れない。俺が好きなら廓勤めを続けろ、て言われているんだよね。え〜好きな男がいて女郎勤めってひどくない?でもそれで男の言いなりになってしまうんだ? それで次郎左衛門には申し訳ないと思っているんだ? なんかテキトーな人だ。
 私はこの話で、どうもすっきりしないのはここだ。八ッ橋の彼氏の浪人侍は悪人じゃない。八ッ橋が身請けされると聞いて、単純に?ヤキモチで起請文返せとか怒っている。八ッ橋の愛情を疑っているのね。この男が悪人じゃないのが、この話のすっきりしないところだと思う。男が悪人じゃないばかりに、八ッ橋が余計にテキトーなひどい女に思えてしまうんだと思う。心ならずも次郎左衛門を袖にしなければならない、八ッ橋は悪くない、みたいな構図になっているけど、そうじゃないよね。その場その場でテキトーにやってるだけの女ですよね。心の中でごめんなさいしながら次郎左衛門ふったそのあとで、ねえ?私がんばった?ほめて、と浪人侍に甘えるんですよね。
 男がもっと悪人だったら、そんな男でも好き、莫大な借金を完済してくれる次郎左衛門よりも、そんな次郎左衛門をふってしまう八ッ橋カッコイイ、に思えるの。
 でもこのなんか曖昧なふらふらした感じが八ッ橋なんだろうなあ、と思います。次郎左衛門もそういうところが好きだったんでしょう。
 次郎左衛門が八ッ橋にフラレて、座敷に誰もいなくなったあと、しかし花魁の九重だけ残ってていろいろ気遣いをみせるシーンがあるんですね。九重、いい人じゃん、こっちと恋愛してればよかったのに、って一瞬思うじゃないですか。でも立場がちがってたら、きっと八ッ橋もこんなふうに気遣いしてくれる優しい女なんですよ。
 最後のシーンでは、八ッ橋と女中の二人を斬ったところで終るんですが、元々の籠釣瓶では、このあと浪人侍とか男どもも斬るらしいです。ですよね。そこまでやらないと次郎左衛門も収まりがつきませんよね。でもそれは見なくても想像がつくから、いらないといえばいらない。


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