ヘロQ公演「魔界転生」
今日のDVD観賞は
ヘロヘロQカンパニー2011年6月公演「魔界転生」
です。
なんかついこの間のような気がしていたんですが、昨年6月のことだったんですね。私は劇場まで見に行きましたが、その感動をDVDでもう一度。
感想文のupが遅くなったのは、今一度、深作版映画「魔界転生」を見てから、と思って。
いやあ、深作映画って力あるですね。なんかぐーっと絵で引っ張られて一気にエンディングまで行っちゃう。面白いとかつまらないとか考えている暇がない。私は原作本未読なんですが、調べたところ、原作のストーリーは映画とはだいぶ違うみたいですね(^_^;) じゃあわざわざ映画見る意味なかったか(^_^;) でも有名な映画だから、「魔界転生」と名がつく作品はみんなこの深作映画と比べられると思う。私もちょっとどんな映画だったか、もう一回確認したくなったし。
ヘロQ版魔界転生は、ラスボスが天草四郎になっている以外は、原作にだいぶ近いお話構成だと思う。(私は原作読んでないけど、あらすじ紹介によると。)そういう意味ではきっとこれが原作者が描きたかった柳生十兵衛なのだろう。ただ剣術が強いので勝つのはない。様々な人々との縁や思いでつながる物語なのだろう。読んでないけど(^_^;)
DVDになったヘロQ「魔界転生」の第一次感想は「うーん?(^_^;)」でした。
映像は必要に応じて、舞台上の人物の表情を切り取り、また右や左の人物に焦点を当て、時には舞台全体を画面に入れている。近づいたり遠ざかったり切り取ったりする、映像としての演出が加えられているのが、舞台公演のDVDというものなのだ。一番気になったのは立ち回りなんだけど、チャンバラだから動いている人たちを全体的にとらえる絵にところどころバストショットをはさんでいるんだけど、これってどうなんだろうとちょっと思ったわけなんです。
このDVDを買う人は、映画のように画像をきりとってつないだ「魔界転生」が見たいのだろうか?
それとも、観客席から見た舞台の雰囲気を見たいのだろうか?
実は、DVD見てから気付いたけど、私は後者だったのだ(^_^;) 映画と違って動いている舞台のどこを見ているかは、観客によって多少違う。動きが止まっているシーンは多分役者の表情を見てしまうが、チャンバラなどのシーンはどっちがどう動いたの立ち位置とか、足さばきがかっこいいとか、そんなところを見ている。刀と刀がぶつかり合って、がしっと払って、ばたっと振り返って、みたいな殺陣の段取りがあるじゃないですか。私はそれが見たかったんですけど。動きの激しい場面の迫力を出そうと思って、短いカットでつなぐみたいな演出しているんだと思うけど、私はこの狙いは逆だと思うの。好みの問題といってしまえはそれで終わりだけど、ここはカメラは寄らなくていい、と感じる個所が気になった。
さてそれからお話とかの感想。
これはかなりけっこうまっとうに大掛かりな舞台で、見所が多かったです。声優さんが主催の劇団て、本業は声優だから趣味でやってるイベント的なものと世間では思われるかもしれないけど、いやいやこれは客から木戸銭を取る出来の舞台だと思います。
たくさんいる登場人物にそれぞれ背景や個性を持たせて、お話をまとめていく脚本がまずすごい。原作は文字数無制限(小説)の世界なので、それはいくらでも欲張って書いているわけなので、先に映画にした深作監督もそれは考えてに考えてあちこちはしょって違う話にしないと映画にならなかったのだろう。その理屈は舞台公演でも同じで、どの場面とどの人をどう使うか。それなのに映画よりもむしろ登場人物多いんじゃない?(^_^;)
場面の制約もある。映画ならどこのどんなシーンでも撮ってきて繋ぐだけだが、お城になったり山里になったり廃寺になったり、目まぐるしく切り替わる場面を舞台ではどう表現するのか。
もうひとつの制約は時代劇。時代劇はセリフや衣装、動きにも決まり事がある。この公演は前進座の俳優さんが出ていて、その時代劇っぽさをびしっと締めているのも見所だ。
いいですね〜時代劇o(^-^)o
なんちゃって時代劇じゃなくて、ホントに時代劇だからね。衣装、小道具、セットから何かお金かかると思うんですが、でもすごい美しく見栄えして良かったです。
DVDの特典映像には、公演前の稽古はもちろん、公演中の舞台裏も収録していて、それはそれは戦場のような忙しさで、舞台に出ている役者はもちろんだけど、舞台に出ないで楽屋や装置などで待機しているスタッフもまた舞台公演に参加している人なのね。おしろい塗って舞台でライト浴びるだけが劇団員じゃないわけなのね。
いろいろ細かいことをいうなら、関智一に柳生十兵衛はニンじゃないとか、小西克幸はガタイはいいんだけど顔が悪役じゃない…とか、それはちょっと思わないわけではなかったわ(^_^;)
そこで注目なのは小西さんの歌舞伎メイク。黒い隈取りを入れて、これですっかり悪役顔なんです。隈取りというのは元の顔は全然関係なく、顔を作ってしまうのですね。伝統というものは奥が深いです。
やっぱり時代劇サイコー。
小西さんの荒木又右衛門役は、時代劇をやりつけてない印象はあったけど、あの大きな身体を活かした迫力が文句なく良かったです。セリフがバン!と衝撃波のように伝わってくるのが生の小西克幸の良さなのですが、残念ながらDVD映像ではそこは再現されないです。
ヘロヘロQカンパニー2011年6月公演「魔界転生」
です。
なんかついこの間のような気がしていたんですが、昨年6月のことだったんですね。私は劇場まで見に行きましたが、その感動をDVDでもう一度。
感想文のupが遅くなったのは、今一度、深作版映画「魔界転生」を見てから、と思って。
いやあ、深作映画って力あるですね。なんかぐーっと絵で引っ張られて一気にエンディングまで行っちゃう。面白いとかつまらないとか考えている暇がない。私は原作本未読なんですが、調べたところ、原作のストーリーは映画とはだいぶ違うみたいですね(^_^;) じゃあわざわざ映画見る意味なかったか(^_^;) でも有名な映画だから、「魔界転生」と名がつく作品はみんなこの深作映画と比べられると思う。私もちょっとどんな映画だったか、もう一回確認したくなったし。
ヘロQ版魔界転生は、ラスボスが天草四郎になっている以外は、原作にだいぶ近いお話構成だと思う。(私は原作読んでないけど、あらすじ紹介によると。)そういう意味ではきっとこれが原作者が描きたかった柳生十兵衛なのだろう。ただ剣術が強いので勝つのはない。様々な人々との縁や思いでつながる物語なのだろう。読んでないけど(^_^;)
DVDになったヘロQ「魔界転生」の第一次感想は「うーん?(^_^;)」でした。
映像は必要に応じて、舞台上の人物の表情を切り取り、また右や左の人物に焦点を当て、時には舞台全体を画面に入れている。近づいたり遠ざかったり切り取ったりする、映像としての演出が加えられているのが、舞台公演のDVDというものなのだ。一番気になったのは立ち回りなんだけど、チャンバラだから動いている人たちを全体的にとらえる絵にところどころバストショットをはさんでいるんだけど、これってどうなんだろうとちょっと思ったわけなんです。
このDVDを買う人は、映画のように画像をきりとってつないだ「魔界転生」が見たいのだろうか?
それとも、観客席から見た舞台の雰囲気を見たいのだろうか?
実は、DVD見てから気付いたけど、私は後者だったのだ(^_^;) 映画と違って動いている舞台のどこを見ているかは、観客によって多少違う。動きが止まっているシーンは多分役者の表情を見てしまうが、チャンバラなどのシーンはどっちがどう動いたの立ち位置とか、足さばきがかっこいいとか、そんなところを見ている。刀と刀がぶつかり合って、がしっと払って、ばたっと振り返って、みたいな殺陣の段取りがあるじゃないですか。私はそれが見たかったんですけど。動きの激しい場面の迫力を出そうと思って、短いカットでつなぐみたいな演出しているんだと思うけど、私はこの狙いは逆だと思うの。好みの問題といってしまえはそれで終わりだけど、ここはカメラは寄らなくていい、と感じる個所が気になった。
さてそれからお話とかの感想。
これはかなりけっこうまっとうに大掛かりな舞台で、見所が多かったです。声優さんが主催の劇団て、本業は声優だから趣味でやってるイベント的なものと世間では思われるかもしれないけど、いやいやこれは客から木戸銭を取る出来の舞台だと思います。
たくさんいる登場人物にそれぞれ背景や個性を持たせて、お話をまとめていく脚本がまずすごい。原作は文字数無制限(小説)の世界なので、それはいくらでも欲張って書いているわけなので、先に映画にした深作監督もそれは考えてに考えてあちこちはしょって違う話にしないと映画にならなかったのだろう。その理屈は舞台公演でも同じで、どの場面とどの人をどう使うか。それなのに映画よりもむしろ登場人物多いんじゃない?(^_^;)
場面の制約もある。映画ならどこのどんなシーンでも撮ってきて繋ぐだけだが、お城になったり山里になったり廃寺になったり、目まぐるしく切り替わる場面を舞台ではどう表現するのか。
もうひとつの制約は時代劇。時代劇はセリフや衣装、動きにも決まり事がある。この公演は前進座の俳優さんが出ていて、その時代劇っぽさをびしっと締めているのも見所だ。
いいですね〜時代劇o(^-^)o
なんちゃって時代劇じゃなくて、ホントに時代劇だからね。衣装、小道具、セットから何かお金かかると思うんですが、でもすごい美しく見栄えして良かったです。
DVDの特典映像には、公演前の稽古はもちろん、公演中の舞台裏も収録していて、それはそれは戦場のような忙しさで、舞台に出ている役者はもちろんだけど、舞台に出ないで楽屋や装置などで待機しているスタッフもまた舞台公演に参加している人なのね。おしろい塗って舞台でライト浴びるだけが劇団員じゃないわけなのね。
いろいろ細かいことをいうなら、関智一に柳生十兵衛はニンじゃないとか、小西克幸はガタイはいいんだけど顔が悪役じゃない…とか、それはちょっと思わないわけではなかったわ(^_^;)
そこで注目なのは小西さんの歌舞伎メイク。黒い隈取りを入れて、これですっかり悪役顔なんです。隈取りというのは元の顔は全然関係なく、顔を作ってしまうのですね。伝統というものは奥が深いです。
やっぱり時代劇サイコー。
小西さんの荒木又右衛門役は、時代劇をやりつけてない印象はあったけど、あの大きな身体を活かした迫力が文句なく良かったです。セリフがバン!と衝撃波のように伝わってくるのが生の小西克幸の良さなのですが、残念ながらDVD映像ではそこは再現されないです。