枕草子の謎 藤本泉著
「枕草子の謎」藤本泉著
前に「源氏物語99の謎」を読みました。(こちら)
同じ先生の、今度は枕草子についての本です。「源氏物語の謎」「王朝才女の謎 紫式部複数説」とも関連があるので、一緒に読むと面白いかもです。
「枕草子」は本当に清少納言の作なのか?
え?枕草子って清少納言の書いた本でしょ? 学校で歴史や古文でそう習ったですよね? はるはあけぼの…とか丸暗記しましたよね?
「枕草子」も「源氏物語」も署名入りの原本が残っているわけではなく、また傍証となる同時代の資料ががあるわけではないので、正確には「清少納言作と伝えられる」ということなわけです。
そして藤本女史は、枕草子は本当は清少納言が書いたのではないのではないか? もっと言えば、この時代の女流作家作の物語や日記などはすべて、ネカマ作家による作品なのではないか?(土佐日記は実際そうなんですけど。)つまり女流作家などいなかった、ということを述べています。
(↓続きはこちらで)
前に「源氏物語99の謎」を読みました。(こちら)
同じ先生の、今度は枕草子についての本です。「源氏物語の謎」「王朝才女の謎 紫式部複数説」とも関連があるので、一緒に読むと面白いかもです。
「枕草子」は本当に清少納言の作なのか?
え?枕草子って清少納言の書いた本でしょ? 学校で歴史や古文でそう習ったですよね? はるはあけぼの…とか丸暗記しましたよね?
「枕草子」も「源氏物語」も署名入りの原本が残っているわけではなく、また傍証となる同時代の資料ががあるわけではないので、正確には「清少納言作と伝えられる」ということなわけです。
そして藤本女史は、枕草子は本当は清少納言が書いたのではないのではないか? もっと言えば、この時代の女流作家作の物語や日記などはすべて、ネカマ作家による作品なのではないか?(土佐日記は実際そうなんですけど。)つまり女流作家などいなかった、ということを述べています。
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著者は、まず枕草子の内容で不審な点を列挙する。
中宮定子に仕えた宮中での出来事の描写は非常に生き生きとしていて面白いものがあるが、本人が現場にいたとは思えない記述があるというのだ。
例えば、登場する人物の官位が間違っている。別資料で筆者が宮中にいないはずの時期の記述がある。定子が産んだ皇女皇子に関する記述がない。女房詞がほとんど出てこない。などなど。
この時代、女は歌を詠むことは必須科目だったが、随筆や散文などを書く教育は受けていなかった。また宮中に仕える女官が自由にものを書き散らかせる立場だったはずがない。それで女史の推理は、枕草子の作者は男で、宮中生活の部分は聞き書きで綴ったのではないか。清少納言に時代も立場も近い人物で、能因法師だ、というのである。
枕草子の成立はいろいろ複雑らしく、写本によって構成が全然違うらしい。学校で必ず習う「春はあけぼの」の段も、これがあるのとないのがあるそうで、元々はどういう形をしていたのか謎なのだそうです。後から別の作者が加筆している可能性はあるらしい。手書きの書き写しで伝わっているものは写しミスや散逸の他に、著作権などない時代なので勝手に「ぼくのかんがえた枕草子」的なものを書き足したり手直したりしたものらしいのです。
私が初めて「枕草子」を読んだのは小6の時で、もちろん現代語訳ですが、平安時代の御所の中宮様の生活がいきいきと語られていて、それはちょっとどきどきしたものでした。いきなり即興で歌を詠んだりして、うわーハードル高ーい(^_^;)とか自分に置き換えていろいろ想像したものでした。いきなり貴公子がやってきて、おいここをあけろ的な展開になって、それを歌で返すとか、自分だったらできるだろうか?とかそういうこと。現代ではそんなスキル必要ないですが(^_^;)、平安時代の女官だったらできなくちゃいけないでしょ?
そういう内容の面白さと、枕草子の成立についての謎の面白さは別。もし仮に能因法師の作だったとして、なぜこれを書いたのかとその動機を想像するのも、また面白いです。
中宮定子に仕えた宮中での出来事の描写は非常に生き生きとしていて面白いものがあるが、本人が現場にいたとは思えない記述があるというのだ。
例えば、登場する人物の官位が間違っている。別資料で筆者が宮中にいないはずの時期の記述がある。定子が産んだ皇女皇子に関する記述がない。女房詞がほとんど出てこない。などなど。
この時代、女は歌を詠むことは必須科目だったが、随筆や散文などを書く教育は受けていなかった。また宮中に仕える女官が自由にものを書き散らかせる立場だったはずがない。それで女史の推理は、枕草子の作者は男で、宮中生活の部分は聞き書きで綴ったのではないか。清少納言に時代も立場も近い人物で、能因法師だ、というのである。
枕草子の成立はいろいろ複雑らしく、写本によって構成が全然違うらしい。学校で必ず習う「春はあけぼの」の段も、これがあるのとないのがあるそうで、元々はどういう形をしていたのか謎なのだそうです。後から別の作者が加筆している可能性はあるらしい。手書きの書き写しで伝わっているものは写しミスや散逸の他に、著作権などない時代なので勝手に「ぼくのかんがえた枕草子」的なものを書き足したり手直したりしたものらしいのです。
私が初めて「枕草子」を読んだのは小6の時で、もちろん現代語訳ですが、平安時代の御所の中宮様の生活がいきいきと語られていて、それはちょっとどきどきしたものでした。いきなり即興で歌を詠んだりして、うわーハードル高ーい(^_^;)とか自分に置き換えていろいろ想像したものでした。いきなり貴公子がやってきて、おいここをあけろ的な展開になって、それを歌で返すとか、自分だったらできるだろうか?とかそういうこと。現代ではそんなスキル必要ないですが(^_^;)、平安時代の女官だったらできなくちゃいけないでしょ?
そういう内容の面白さと、枕草子の成立についての謎の面白さは別。もし仮に能因法師の作だったとして、なぜこれを書いたのかとその動機を想像するのも、また面白いです。