海神別荘

先月見た「天守物語」のつづきです。

 シネマ歌舞伎。今月は「海神別荘」。
 
 お話。人柱となって海の公子のもとへやって来た若い美女。父のために財と引き換えに身を捧げたにも関わらず、里への未練を断ちがたい。公子は不機嫌になり、おまえはすでに人ではないから里に姿を見せぬ方が良いと告げる。

 感想。これは私はだいぶ以前にCSの歌舞伎チャンネルで見て内容は知っていたけど、やはり何度見ても、この海の若君様役の海老蔵は素晴らしいと思う。演技云々は私にはよくわからないけど、やっぱり演技とか演出でどうしても越えられないものが、ビジュアルにはある。それが圧倒的なので、市川海老蔵はすばらしい歌舞伎俳優なのだ。俳優というものはな、外見も才能のうちなのだ、とこの舞台の海老蔵を見ると認めないわけにはいかない。なにしろ、
天野喜孝コスチュームが完璧に似合ってる!
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 美術が天野喜孝さんなんですよ。この舞台。衣装や小物、セットなど全部そうだと思います。天野イラストの今にもあの何とも言えない不健康そうな白塗りの美女、あれが玉三郎そっくり(^_^;) 豪華なドレスや髪飾りなどの反面自分というものがない女なので、本当に天野イラストそのものに玉三郎が見えてくる。海老蔵は男キャラのマッチョできらびやかで派手なコスチュームに全く負けていないところが、やはりこの役は適任だと思う。白塗りにしても個性のはっきりした成田屋の顔立ちにふさわしい役。「天守」のときの純粋な若侍よりも、全然こっちの方がいいです。
 さて、これも100年前の作品なので、言葉遣いがいささか古くて、ちょっと難しい。もちろん私は原作未読です(^_^;) かろうじて聞き取れる現代語に近いセリフのやりとりから判断するに、玉三郎@美女は、父に人柱にされて海に流されたのである。その代価に海産物や財宝を授かったらしい。彼女は海の王子様のお嫁さんに迎えられたが、いまだ陸が恋しい様子。
 「天守」よりもむしろわかりやすい話と思う。異世界訪問のお話なのは天守同様だが、人身御供になった女の人間目線のお話なので、公子にいろいろと人間をストレートに批判されるあたりがこの作品のテーマをはっきりと語っている。
 この世のどこかに、この舞台では海の底だが、そこに人の世ではない、苦悩も憂いも迷いもない場所がある。そこは人ではない種族のすみかなのだが、この舞台のヒロインも最後に海の住人となったようである。

 まだ来週もやってると思います。天野喜孝ファンは見ましょう。
 来月は「高野聖」。これは見たことないので、内容知りません。楽しみ。

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