シネマ歌舞伎「熊谷陣屋」



(10.9)
 この予告編だといまいち意味全然わかんないですが(^_^;) この演目は予習した方がいいと思います。
 明日か明後日には行ってきます! コミックシティ合わせの原稿とかあるんですけど……(^_^;) 早く見たくてがまんできない。

(10.10)
 行ってきた!ヽ(^。^)ノ
 シネマ歌舞伎「熊谷陣屋」は上映期間が短いかと思います。お早めに。
 お話。熊谷直実が戦から戻ってくると、陣屋(熊谷軍のベースキャンプ?)に奥さんの相模が来ている。女が来るなと言っただろといさめる熊谷だが、奥さんは初陣の我が子のことが心配で仕方がない。ナイショの来客はもう一人いて、藤の方。たった今しがた熊谷が討ち取った平敦盛の生みの母だった。我が子の仇と色を成す藤の方だが、敦盛の最後の様子を聞かされ…

 予告編では意味不明なので演目解説。私はこれは歌舞伎座では見たことはなかったのですが、人形浄瑠璃のやつをTVの放送で見たことがあって、ストーリーは知ってました。歌舞伎の名場面集みたいな動画だと必ずどこか一場面入っているような、歌舞伎ファンならよく知っている演目です。
 非常に有名な演目なのですが、私は初めて歌舞伎を見る人にはこれはおすすめしないです(^_^;)
 元々は人形浄瑠璃のために書かれたもので、義太夫の歌と演奏にのって舞台が進行するので、現代の感覚だとかなりゆっくり。ナレーションや状況説明が義太夫の語りで、台詞も仰々しい文語体で口語じゃないから、一応日本語だから何言ってるのかよく聞けばわかるけど、セリフについていくのはちょっとしんどい。それと唐突に舞台に登場する人物がいて、歌舞伎ではよくあることですが(^_^;)、この人だれ?と思っていると長々と自分語りを始めてわけがわからない。そういう意味で予習は必要と思いました。
 「熊谷陣屋」物語はタラレバ源平もので、そのへんの感覚は戦国無双とか変わらないです。熊谷直実は源義経の家来。戦場で平敦盛を討った。しかしそれには裏事情があって……。
 こういう題材が人形劇になっているということは、観客である下々 にとっても源平合戦などはみんなよく知っているお話だったんだろうな。元ネタがわかってないと、このお話はちっとも面白くないし。

 感想。私は元々この演目は好きではない。見たあともやもやする。
 舞台は圧巻だったです。私のもやもやがどうあれ、やっぱり泣かせるところは泣かせるし。見どころは首実検の場面。熊谷、相模、藤の方の三者三様の。ここはすごい迫力で、話がわかっていても引き込まれる。
 シネマ歌舞伎はやっぱり良い。劇場にいるような臨場感がすばらしいです。それは特に音。花道を役者が出てくるときのみしみしという軋み音。衣装のすれる音。楽器や謡いも劇場で生で聞いているような迫力と立体感があって、本当に舞台の奥行きを感じさせてくれるんですね。
 それで「熊谷陣屋」のもやもやについて。詳細は↓で。もちろんネタバレ。





 私はこの話でいろいろ思うことがあるんです。
 私の見方読み方が浅いだけで、本当はそういうお話じゃないよ、かもしれないけど、アホな庶民のそのもやもやを綴ります。

 元になった源平話でも熊谷は敦盛を討って、その後出家してしまいます。平家のおぼっちゃまとはいっても敦盛は武士の子、しかも場所は戦場。それを討って出家って熊谷どんだけナイーブなんだよ、という謎をひねったのが「一谷嫩軍記」の熊谷物語なのだと思います。実は討ったのは敦盛ではなくて実の息子だった、これなら武勇一辺倒の武将も世をはかなんで出家するだろう、という解釈で。
 この話で変なのは、変というかもやもやするのは…
・助かった敦盛はどうなった?
・敦盛を助けるのはいいとして、熊谷に犠牲を強いた義経って???
・相模はどうなった?

 敦盛を助けなければならない。無理矢理設定とはいえ(^_^;)それはわかる。義経は別の演目では安徳天皇を助ける話もあるですよね。でも史実では平氏も安徳天皇もきっちりほろぼしている義経に、こういう役回りをさせる感覚がよくわからない。
 それってどうなの?平氏を滅ぼしたのは義経なのに、フィクションの世界では義経は敦盛とか安徳天皇助けました。自分が死んだ平氏の武将だったら「ふざけんなよ義経。平氏ほろぼした手が安徳天皇だっことかしてんじゃねーよ」と思うと思います。滅ぼした超本人が、フィクションの世界で滅ぼした相手を助けている、しかも高貴な血筋を理由に(^_^;) 墓の中の敦盛や安徳帝はちっとも嬉しくないと思いますが。
 これ、義経や義経の息子を助けるために身代わりだったら、熊谷ももっと納得するものがあると思うんですが、助ける相手は皇統だというのがどうにも微妙。熊谷がその場で出家してしまうのは、はっきりいって義経にたいして露骨なあてつけじゃないの?(^_^;) 武士は戦が仕事なのにそんな熊谷が泣いて出家しちゃうような仕事をおしつけた義経って…。舞台での義経はお雛さまのような白塗りで、へーぜんと熊谷を送りだすから余計にもやもやします。
 しかしニセ首がバレてはいけないから、熊谷も義経もへーぜんとしているとして、身代わりをたててもらった敦盛はどう思うんでしょう? すでにどこかへ落ち延びたとかならともかく、実は舞台に出てきます。荷物の中に入って。中で気絶している?としても、高貴な血だから助命されて当然、熊谷の息子は直属の家臣でもないのに身代わりになって当然と思うのだろうか。世間様や義経がそう思っているとして、助けられた敦盛もそう思っているのか? 
 このドラマが書かれたのは身分制社会の時代だから、生まれによって待遇の違いがあって当然で、それをみんな変だとは思わずに暮らしていただろう。いや、あるいは私がもやもやするようなものは当時の観客も思ったんだろうか?

 もやもやはもうひとつある。奥さんの相模だ。息子は死んで、亭主はいきなり出家。相模はこのあとどうしたんでしょうね? 彼女にも言い分はあるんじゃないですか?

 もやもやするんですが、最後、コワオモテだった熊谷が笠で顔を隠してよろよろと退場していく場面で「歌舞伎見たな」という満足はあります。

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