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正岡

おたくな奥様快楽通信

ぬらりひょんの孫

2011年07月08日
アニメ・特撮・邦画 0
TVアニメ「ぬらりひょんの孫」2010年放送
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 声優大行進☆☆☆☆
 妖怪大戦争☆☆☆
 

 全24話。
 感想。作画は原作の雰囲気をうまく出してる。特に前半は良かった。バトルが続く終盤はちょっと微妙だったかも。和装を描くのは大変だったでしょうけど。着流しでチャンバラとか。
 お話の内容は原作によるところなのだが、ゲゲゲの鬼太郎のような妖怪図鑑的展開を期待するとがっかりする(^_^;) またリクオくんと妖怪探偵団のような学園アドベンチャーなのも最初だけ。(ジャンプではよくあること)


 出演声優さんは、アニメ雑誌でもよく見かける有名どころをそろえていて申し分ないです。
 主役の福山潤さんは、昼はふつーの少年ボイス。夜は低音の妖怪ボイス。桜の下で向かい合う昼と夜のリクオを演じ分けています。

 主題歌はぶっちゃけ微妙。このアニメ化の企画が上がったとき原作がどのへんをやっていたのかわからなけれど、妖怪バトルものになることはわかっていたんだよね。妖怪なのになぜサンシャインなのだろうか? ああ、でも原作ファンの人がこれで良かったのなら。私はレンタル視聴だけど、主題歌はがっちりすっとばしました(^_^;) エンディングは表のお話が殺伐としているので、これはこれでいいと思います。

 さて、このアニメ作品、いろいろと原作からの変更点があるとのことで、いろいろ議論があるそうなのです。それでアニメ見終わった後、原作を読み返してみてそのへん確認しました。確かにアニメで、お話の展開やエピソードのひねりなどがあります。
 私は、コミックとアニメは別の表現なので、コミックの紙面をそのまま映像化はなくていい、つまりセリフを整理したり場面を足したり削ったりはありだと思うんです。というのも、コミックは「?」となってもページを戻して確認できるし、感動するシーンは何秒でも眺めていられる。けれどアニメにはそれはない。コミック原作には、コマ割りの画面をそのまま絵コンテでアニメになってしまうものもあれば、整理し直した方がいいものもある。ぬらりひょんの孫は後者だと思う。アニメとコミックはやはり別ものなのである。
 そういう動画の手法的な変更いいとして、多分議論になっているのは、お話の流れを整えるためにセリフや場面をつけたしたり、削ったりする、それが上手くいっているかどうか?ではないだろうか。



↓つづきは以下で
微妙その1。
 ナレーションがあるのに、それが活かされてない気がする。
 ナレーターは男なのに、サブタイトル読みは女声なのはなぜだろう?ていうかこの女声は誰なの? 私はサブタイトルはリクオであるべきだと思うけど。

微妙なところその2
 原作第1話のリクオが小学生時代のバス事故と覚醒の話、アニメではこのエピソードを省いて話が始まっている。この是非は難しいところだ。
 アニメでこのエピソードを省いた理由はわかる。リクオ本人が覚えていない昔話を放送第1回に持ってくるのは適切ではない、という判断だろう。この物語の主人公は中学生になったリクオであり、リクオ視点のお話だ。放送第一回というのは、今後の放送内容紹介とこれからの見所を予感させるように作るものなのだ。
 ただ原作の第1回も設定をきちんと説明するためにこの話を冒頭に書いたわけで、ここを抜かして話を始めると、このあとリクオ周辺の設定を説明するエピソードは出てこないので、全然意味不明になってしまうのである。実は私はアニメは第3話くらいで「なんかあんまおもしろくないのう」で見忘れてそのうち離脱してしまった人なのだが(^_^;)、あとから原作を読んで、その時感じた違和感の理由を確認したわけである。
 これは原作の問題でもあると思うが、意外にリクオ視点の「僕は~」という部分が弱いのである。
 妖怪の家に生まれて、おじいちゃんが妖怪で、妖怪の群れの中で暮らして……他の人たちと違う立場の自分をリクオはどう感じているのか? この部分が描かれているのは、実はアニメで削ってしまった原作第1回、リクオの小学生時代の話なのだ。妖怪って怖い悪いといわれてガーンとなる体験とそれでも友達を助けようと必死になるのは、昼のリクオの根っこにある部分だから、ここを抜かすと大人になった夜リクオが未だに人間の同級生を助けにやってくる動機や、日頃世話になっている屋敷の妖怪を顎で使ってかまわない理由がわからなくなってしまう。やっぱりアニメもここを抜かしてはいけなかったんじゃないだろうか。少なくともアニメ第3回までにちゃんとやるべきお話だったと私は思うのだ。
 だけど原作の話の流れだと切れ目がなくて、過去話を入れる場所がネズミ話が終わるくらいまでないのね。放送第1回で昔話やらないなら、独立したエピソードを持ってくるとか、他に方法はなかったんだろうか、冒頭の牛鬼対決なんかいらんネタバレじゃないのか、などいろいろ考えてしまった。

ちょっと良かったなと思うところ
 アニメで変更&追加された部分がなかなかに良かったものもあれば、ここは原作のままの方がよかったんじゃないか?なぜ変更したんだ?な部分もある。また十分尺をとってゆったりと絵を展開していて雰囲気が良い場面もあるけれど、無駄に秒数が長くて臨場感に欠けると感じる部分もある。……それぞれ感じ方はいろいろだと思います。
 アニメで追加されている部分は、例えば清継くんのあれだけ大騒ぎして一度も妖怪に遭遇できない不運とか、袖もぎ様に遭遇しそうで間一髪遭遇しないとか、妖怪大戦争になると用の無くなってしまう人物を、場面と場面をつなげるのにうまく組み込んでいると思う。

微妙なところその3
 原作の変更点で疑問なのは、私もいくつか思う事がある。
 牛鬼の処分を決めるなど会議のくだり。リクオのセリフを変えているのはなぜだろう。一つ目を恫喝するようなセリフも変わっていたように思うが。牛頭馬頭に内々に命令していたのも変わっていたけれど。
 場所の移動や時間の経過などを整理するために、話の流れを変えたり登場箇所を変えたりするのはわかる。整合性があるかないかは誰が見てもわかることだ。しかし主人公リクオの言動は、どこまで変えていいものだろうか。
 自らあまり動かない昼のリクオに何をどう言わせるかは、作者が考えに考えた部分のはずだ。主人公の人格にかかわる部分はいじらない方が良いのではないか。プロのシナリオ作家や演出家からすると青臭い、理屈の通ってない、あるいは生意気な暴言だとしても、若い人の考えることは若い人にしかわからないものなのだ。

微妙なところその4
 ヒロインの取り扱い。少年ジャンプなので、バトルに突入するとヒロインは存在感が薄れていくものだ。恋愛が動機にはならないから余計に。そこを補強しようとしたのかもしれないが、それは上手くいっているのだろうか。
 ヒロインの日常的な場面が追加されて、女の子キャラの印象の変わっている部分もあるけど、レンタルでまとめ見すると無駄な演出にしか見えない。つまりおなごをいくら魅力的?に描いても、妖怪戦争には関係ない瑣末なことなのである。さすが少年ジャンプだわ。作家先生にはもしかしたら、女の子によっては思い入れがあるのかもしれないけど、バトルに突入した少年ジャンプ作品では女の子は使い途の極めて難しい題材なのである。

総論。ふつーに面白かったです。
 第二期はこの一期にくらべて原作のボリュームがけっこうあるんですが……尺は足りるのかしら?

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正岡
この記事を書いた人: 正岡
■生涯一腐女子。腐女子の本懐を極める。追っかけ中→小西克幸。市川猿之助。松田龍平。蒼井翔太
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