大魔神怒る
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本日はレンタル映画から。
大魔神三部作を観賞します。レンタル借りる都合で、第二部「大魔神怒る」を先に見てしまうことに…(^_^;)
(ネットレンタルの欠点ですね。)

大魔神二作目。
私、この映画は映画館で見たことは一度もありません。年代からいってTVで見た事はあるような気がするのですが、全然内容を覚えていません。なので、初視聴です。
感想その1。ブルーレイ版。画面が超キレイo(^-^)o
たった今現像したばかり!みたいな鮮明な映像。色もナチュラルに鮮やかできれい。たぶん当時映画館で見た人もここまで鮮明な画面じゃなかったんじゃないだろうか。とても古い映画とは思えない美しさ。当時映画館で見た人にも一見の価値ありです。
感想その2。日本人の信仰に根ざした映画。
この映画は娯楽作品であるにも係わらず、日本人の宗教的心情の形をはっきりと現している。
日本人の信仰、それは
(1)因果応報。
(2)触らぬ神に祟り無し。
このふたつは日本人なら誰でも知っている、日本人を律する信条である。
我々日本人がなぜ善人たらんとするかというと、実は、悪い行いをするとその報いが自分に返ってくると信じているからなのだ。幼い時は「花咲か爺」「笠地蔵」などを読み、大きくなっては少年ジャンプやアニメ特撮。強いだけではだめで正しい者が勝つ、悪は身を滅ぼす、というフィクションの中で私たちは大人になるのである。
そしてもうひとつ「触らぬ神に祟りなし」。この映画の中では、なんと恐れ多くも悪者武士は魔神像に発破をかけて木っ端みじんにしてしまうのである。いくら征服した敵国の神殿でも、これは日本ではやってはいけないこと、日本人なら怖くて出来ないことなのだ。大魔神は戦国時代のお話だが、現代の我々も墓石ひとつ勝手に移動することをためらう。こういう宗教観は昔も今もあまり変わっていない。
感想その3。真面目に本格時代劇。
衣装とか小道具ではっきりわかるけど、なんちゃって時代劇じゃあないです。

美しいミニチュアのセット
画像の合成は今の技術とは違うので、見比べるというのは野暮なことだ。
しかし非常に感心するのは、大魔神に破壊されるためにある屋敷や砦の建物だ。これが美しく精巧なミニチュア建造物なのだ。瓦が一枚一枚乗ってて、建物の構造も本物っぽい。柱が引き倒されて、屋根が崩れる様がえらくリアルなのである。よくできたミニチュアで、ずいぶん手間のかかったセットだ。これだけはどんなに科学技術が進歩しても、やはり手作業くらいすごいものはないと思わされる。
最初に魔神が鎮座している岩場もセットなのだそうだ。すごいなあ。

屋根の崩れた瞬間。瓦が跳ね上がっているのが見えますか?
埴輪武人像。このデザインが素敵。怒る前の顔も素敵。
昔は私も埴輪なんて古臭いものだと思っていたけど、今は古風でかっこいいと思う。つまり大魔神は2000年近く前の古代から現在に伝わる神なのである。
「大魔神」でわかること。つまりそこに古代から伝わる神話や歴史や信仰があって、そうした背景に根ざしたものの上に成り立っているが日本の娯楽というものなのである。(他2作の大魔神映画へつづく)