劇場版BLEACH地獄篇
遅くなりましたが映画のBLEACH。そろそろ上映が終わる地域も多いと思いますが、見損ねた方はレンタルのご参考に…
(ネタバレ感想です)
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さて今度の劇場版は、一護が自分の家族のために戦うお話だ。
お話。高校に通う一護の前に現れたのは、地獄からやってきたらしい男達。なぜか一護を地獄へ連れて行きたがり、一護の家が襲われ妹が一人連れ去られる。一護は妹を助けるために地獄に乗り込むが、地獄の空気が一護の力を暴走させるのだった…
感想。作画が非常に良くて、スケールの大きい情景描写やバトルの動きなど、見ごたえがあった。わざわざ映画館のスクリーンで見に行った価値があったと思えた。冒頭のウルキオラ戦なんか死ぬほどかっこよかった。実はこの映画の前にライダー映画を見て、そのあと続けて見たので体力的気持ち的に疲れててどうなのかと思ったんだけど、いやいやだいじょぶ。集中力が切れるような出来ではなかった。ライダー映画の特撮より、やはりアニメの描写の方がまだまだ上だと思わされました。
物語は、登場人物を絞って展開したあたりが良かったと思います。日頃から一護の側にいる人物だけで画面をつなげていくので、一護視点のお話としてまとまりのある印象だった。
それで面白かったかというと、うーん、いろいろ腑に落ちないところがあったな。たとえば、死んだ?はずの妹やルキアはなんで生き返っちゃったりしたのかしら? 中井和哉や古谷徹は元々はただの人間だったのかしら?なんであんなに強かったの? それと克己を意味する一護のニューフォーム?だけど、地獄篇の臨時装着らしい。地獄はなぜ一護をえこひいきするのか? などなど理屈についていけない部分もあった。
それと冒頭のウルキオラ戦や地獄そのものをぶっ壊しかねない一護の暴走、のようなバイオレンスを見てしまうと、最後の落とし所はあれでよかったのだろうか?
正しいか正しくないかは別にして、力で決着させるバイオレスで押しきった方がジャンプ格闘技マンガらしくてすっきりしたような気もする。また家族という足かせを動機にうごくバトルというのは、私は萌えを感じない素材なので、そこは私的には減点だった。戦いは自分を確認するか、さもなければ頂点を目指すために戦って欲しいのである。そういう意味で前作劇場版の一護の自分探しの方が萌えだった。
それで余計な話だけど、隊長さんファンのみなさんはこの映画で良かったのだろうか?
たしかにまとまりのある内容であったので、私はN番隊ファンだからこの映画はつまんないという感想にはならない出来だったと思う。しかしジャンプ格闘アニメに文芸性や芸術性は、何より優先されるべきものなのか?というと、私はそこは微妙だと思う。BLEACHはその世界観や一護の戦いも作品の大きな主題だが、アニメが何年も放送し続けていられるのは、魅力的な脇キャラにそれぞれ熱心なファンがついているからではないだろうか。
この映画の一番の弱点は、キャラファンが2回3回リピートしたい映画なのか?というあたりにあるかと思う。このアニメの人気キャラは一護や恋次だけではないのだ。前作は隊長副隊長オールスター出演だったので散漫な印象もあったが、あれはあれで正解だったのかもしれない、と今は思う。
しかしBLEACH劇場版としては、毎回同じような映画ではしょうがないので、いろいろな作りやテーマで取り組むのは良いことだと思います。でもこの地獄篇はテレビシリーズ用に書き下ろせば1クールくらい軽くいけるお話だと思うんで、なんか映画1本で終わってはもったいないような……と前作劇場版でも思いました。TVシリーズの方はこれからどうするのかな。