終わりなき夜の果て
2010年11月18日
![]() | LYNX CD COLLECTION 終わりなき夜の果て (2010/10/27) 野島健児(清澗寺和貴)千葉進歩(清澗寺国貴) 商品詳細を見る |
BLCD「終わりなき夜の果て」2010年
一族勢揃い☆☆☆☆☆
ですます体☆☆☆☆☆
三枚組☆☆
声優/小西克幸×野島健児 置鮎龍太郎×千葉進歩
お話。長男、次男、三男それぞれ別々の道を歩むことになった清澗寺一族のその後と最後の集い。
感想。大人気の長編シリーズなのに私はまったく萌えない。萌えないのは過去のシリーズからわかっていたので、このBLCD実はレンタルですませるつもりだったのですが、それを忘れて通販かけてしまいました。この不景気に何をやっているんでしょう(^_^;)ばかばか。ちょっとお財布痛かったな…。誤解のないように最初にお断りしておきますが、決してつまらない作品だとか駄作だとは思ってないです。どんな名作でも自分の好みに合わなければ萌えない、ということなのです。BLとはそういうものです。
私がこの作品が萌えない理由は自分でもわかっています。
「ベッドでですます体」
「物語背景が大仰なのに死人が出ない」
「ハッピーエンド」
特にベッドでですます体だけはだめでした。だめっていうか、これだけはいくら小西ボイスでも出力減です。今回私は初めて聞く置鮎@兄貴の彼氏もですます体だなんて、もうだめだあ(>_<) これで三枚組なんて、ちょっとかなりしんどかったです。
それと、これも私の好みでいうと、こういう設定のこういうお話ならもっと死人がばんばん出て、清澗寺一族の破滅と離散!みたいな結末だったらむちゃくちゃ萌えたと思うんです。最後何事もなく終わるんだろうなと思うと、この後どうなる?(手に汗)とは全然思えなくて、そこは商業BLの私の口に合わないところなんでございます。
こうしてみると私もBLに求めるものって、えっちだけが目的じゃないんですね。こういう時代背景や設定だと、なんかこうもっと非日常的な展開を求めてしまうのは私の欲の深いところです。
三枚組ということで、長い長いお話ですが、今回は大まかにいって次男パートと長男パートで構成されています。次男パートでは深沢の身内や生い立ちが語られ、長男パートでは長男視点での清澗寺一族が語られます。趣味に合わないだの先にいろいろ書いてしまいましたが、しかし声優さんの演技は超安定。非の打ち所がないです。状況説明的ナレーションが極力少なくて、会話でお話が進行していくのですが、映画を見ているような感じで良かったです。私は1作目を聞いてないので千葉進歩さんは清澗寺では初めてなんですが、やっぱり上手いなと思いました。長男の設定知らないし興味もないはずなのに、モノローグでぐいぐい引き込まれました。
全体を通して、一番気になる登場人物は浅野とかいう謎の人です。(1作目知らないからわからない(^_^;))ちょっと浮いてるというのもあるんですが、それが余計に不気味で謎めいて複雑怪奇。私だったら成田や深沢よりも、こっちの人物の方になびいたかもしれないです。途中でいなくなってしまいますが、ほんとはどういう人だったのか、その後どうなったのか気になりますね。
そうだ、深沢の弟も結局どうなったんだっけ?
人間関係が家族同僚商売敵とリアルに広がっている世界観だけに、登場人物も多いわけですが、その辺は原作ではフォローされているのかもしれないです。
三男福山さんですが、最初に登場した時とは声が変わっています。しかし清澗寺の世界でも何年も時間が経過しているので、あの時の少年が大人になって……な感じが出ていて、なんかそれが意外に作品の奥行きになってて良かったです。長期に渡ってCDをリリースしてきた大作ならではの醍醐味だと思います。