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正岡

おたくな奥様快楽通信

「火宅」「道成寺」「鬼」他(川本喜八郎作品集)

2010年09月01日
アニメ・特撮・邦画 0
川本喜八郎作品集 [DVD]川本喜八郎作品集 [DVD]
(2007/01/25)
不明

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 予告厳守。DVD収録の川本作品のご紹介。
 収録作品は全部で11作。パケに使われている写真は「道成寺」です。前にもご紹介したように、アニメーション作家なので、人形だけでなく切り絵を使ったアニメーション作品もあります。
 川本作品は、日本の伝統的な造形や古典を題材にしたものが私は好きです。海外で評価されているのも、こういう民族性もあるかと思う。
 私のお気に入り作品の一部をご紹介。

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火宅
 1980年バルナ国際アニメーション映画祭グランプリ受賞作。
 能「求塚」を題材にしていて、仏教色の強い、しかも深遠なお話だ。19分。
 求塚を探して生田の里を訪れた僧侶を、里の一人の少女が案内し、塚のいわれを語る。500年前、一人の乙女を二人の男が求愛し、そして三人とも世を去った物語。
 こういう作品を見ると、やはり民族の古典を有することは得難く素晴らしい事だと思わないではいられない。美術も音楽もすばらしいです。
 仏教では、そもそも女人は罪深く、救われないものとされている。「これもわたし罪になるのでしょうか」そのへんの理不尽さがこのお話によく反映されているわけだが、「火宅」ではもう一歩踏み込んで、実はその地獄の業火はあの世のことではない、現世がすでにそうなのだ、と結ばれている。

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 1972年作。原典は今昔物語から。真っ黒な背景に、金色の背景画や金粉、蒔絵のような美術に特徴がある。
 これも恐ろしくまた不条理なお話だ。猟をしに森に入った二人の兄弟が鬼に襲われる。その鬼の意外な正体は…
 なぜ鬼になってしまうのか? 人間とはそういうものなのか? 全然わからない。正体はわかっても、納得いく説明はない。

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道成寺
 1976年作。歌舞伎などでもお馴染のお話。この写真の場面があまりにリアル過ぎて、映画祭の審査員がコマ撮りアニメだと思わず、人形劇のように手で動かしていると思い込み、グランプリを逃したとのこと。
 この作品にはナレーションやセリフがない。ト書きと音楽と、あとは人形の表情と動作。
 このお話もよく考えると理不尽で、追いかける女が必死なのは当然として、懸想された僧にしてみたらそれは自分の責任なのだろうか。

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花折り
 1968年作。狂言が原典の、ちょいほのぼの。川、庭、木などの背景美術がここですでに日本の古典調。
 可笑しいのは、女の着物を着せられて寝ている小僧さんですね。

 上記四作は古典様式にのっとった作品で、そうでないものも当然収録されています。
 「いばら姫またはねむり姫」1990年作はおとぎ話を新解釈で綴ったアダルトな物語。しかも女目線。岸田今日子の語りで、ほんとはちょっと怖い童話。

 映画というものは思想でもあるので、私には正直解釈がよくわからなくて感想の書きようのない作品もあります。
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旅(1973年作)

(明日は他作品探訪)

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この記事を書いた人: 正岡
■生涯一腐女子。腐女子の本懐を極める。追っかけ中→小西克幸。市川猿之助。松田龍平。蒼井翔太
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